「フレッツ光全戸加入プラン」の料金・速度・注意点を解説!契約できるプロバイダは3社だけ
2023年2月22日スマホやパソコンなどを使うことが当たり前になりつつある今、インターネットを利用する機会は格段に増えています。現代において、インターネットは生活する上で欠かせません。
「フレッツ光全戸加入プラン」は、マンションなどの集合住宅に一括導入できるインターネットサービスです。大家にとっては、インターネット無料物件を用意することにより、物件の強みになり、価値が高まります。
また、空室対策としても効果的です。しかし、フレッツ光全戸加入プランは、1度導入すると毎月費用が発生します。そのため、導入前は注意事項などの把握が必要です。
今回の記事では、フレッツ光全戸加入プランの料金・速度・注意点などを詳しく解説していきます。
目次
「フレッツ光全戸加入プラン」とは?
フレッツ光全戸加入プランとは、マンションなどの集合住宅の各部屋にフレッツ光を一括導入できるインターネットサービスです。
大家が一括で加入し、支払いをするプランです。そのため、「フレッツ光無料完備」を入居者へのアピールの1つとして宣伝できます。
最近ではテレワークの普及もあり、インターネット自体の需要が高まっています。インターネットが必須になりつつあるため、インターネットを無料で使用できる物件は人気が高いです。インターネットの有無で物件を探す方がいるほどです。
「フレッツ光全戸加入プラン」の料金
料金が気になる方もいるのではないでしょうか。ここでは、フレッツ光全戸加入プランの料金について解説します。
フレッツ光全戸加入プランは、コストパフォーマンスの良さも選ばれる理由の1つです。契約すると毎月費用が発生するので、事前にどのくらいかかるか把握しておきましょう。
「フレッツ光全戸加入プラン」の初期費用・月額料金
「フレッツ光全戸加入プラン」の初期費用・月額料金は以下の通りです。
項目 | 費用(一戸あたり) |
初期費用 | 800円 |
工事費用 | 15,000円 |
月額料金(16戸以上の物件) | 3,350円 |
月額料金(8戸以上の物件) | 3,750円 |
月額料金(4戸以上の物件) | 4,350円 |
フレッツ光全戸加入プランを導入する場合、大家が負担する金額は全体ではなく戸数で算出します。居住の有無に関わらず導入物件の全戸数に費用がかかるため、注意が必要です。
マンションの戸数や設置箇所に応じて支払い料金が異なります。料金表はあくまでも目安のため、事前見積もりは必ず行いましょう。
ただし、物件の配線環境によっては、別途工事費が発生する場合もあります。
「フレッツ光全戸加入プラン」のオプション料金
「フレッツ光全戸加入プラン」のオプション料金は以下の通りです。
オプション | 機能 | 月額料金 |
フレッツ・テレビ | テレビ視聴サービス | 825円 |
ひかり電話 | 固定電話サービス | 550円 |
リモートサポートサービス | 遠隔電話サポート | 550円 |
セキュリティサービス | セキュリティソフト | 440円 |
フレッツあずけ~る | 画像クラウド保存サービス | 100GB/550円 |
フレッツ光全戸加入プランでは、ニーズに合わせてオプションを選択できます。
固定電話(ひかり電話)が月額550円で使用できたり、万が一に備えてセキュリティサポートを契約できたりと、加入していると安心のオプションがあります。
これらのオプションは、入居者の実費負担です。大家や管理会社が支払いをするのではなく、入居者がそれぞれ使用したいものを選択し、支払いをします。
「フレッツ光全戸加入プラン」の速度
フレッツ光全戸加入プランの速度は、最大200Mbpsと1Gbpsのどちらかを選択できます。プランによって上限が異なります。テレワークやオンラインゲームをする利用者にとっては、200Mbpsは遅いと感じることがあるかもしれません。そのような方は、1Gbpsを選ぶと良いでしょう。
200Mbpsプランと1Gbpsプランでは配線工事にも差があります。導入する物件のニーズに合わせて速度を決めるのがおすすめです。
フレッツ光全戸導入プランはひかり配線方式(専有型)を採用しているため、全ての各住居に1本ずつ光回線を引き込みます。これによって速度の安定したインターネット環境を提供できます。
この方式は、他の配線方式で起こりがちな混雑時に速度が低下するということはありません。
「フレッツ光全戸加入プラン」申し込みの流れ
フレッツ光全戸加入プランの申し込みは、WEBまたは電話から行えます。申込み後、NTTが提供可否、どのような工事が必要になるかを判断してくれます。
すでに光コンセントが設置されている物件であれば、設置が簡単です。その場合、およそ1週間を目処に全部屋にフレッツ光の手配ができます。
申込み手順は次の通りです。
1.フレッツ光全戸加入プランへ申し込み
フレッツ光全戸加入プランへの申込みは、WEB・電話から行えます。電話の場合、混雑していると繋がるまで10分以上かかる可能性もあります。そのため、WEBからの申し込みがおすすめです。
2.NTTが提供エリアの確認と物件の状況確認
申込みを受けて、NTTが提供エリアと導入予定の物件を確認し、提供できるかどうかを判断します。
3.フレッツ光全戸加入プランの接続に必要な機器が届く
提供の許可が出ると、最短1週間ほどでフレッツ光全戸加入プランの接続に必要な機器が手元に届きます。工事自体の可否は一概には言えないので、NTTの判断に従いましょう。
4.接続機器を光コンセントへ差し込み、セットアップ設定
届いた接続機器を各部屋の光コンセントに差し込み、セットアップ設定を行い開通は完了です。
「フレッツ光全戸加入プラン」のメリット
フレッツ光全戸加入プランの料金や速度、申し込み手順について解説してきました。
ここでは、フレッツ光全戸加入プランのメリットを紹介します。
- 物件の強みになる
- 空室対策になる
- 導入後のメンテナンスが無料
- 長期入居・入居率のアップに繋がる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
物件の強みになる
フレッツ光全戸加入プランに加入することで、無料でインターネットを提供できる物件として1つの強みになります。というのも、東京の賃貸物件では、2割程度しかインターネット無料物件はありません。
インターネットは、物件の人気設備でも1位、2位を争うほど人気の設備です。つまり、インターネットが無料完備されている物件は、住居を探している人にとってとても魅力的です。
インターネットを完備することによって物件の強みになり、他の物件との差別化もできます。
空室対策になる
賃貸経営において、空室状態は避けなければなりません。その空室対策として有効的なのがインターネット無料完備です。
テレワークでPCをインターネットに接続したい方や、ネット接続が必要な家電製品を使っている方も多くいるでしょう。インターネット完備の物件は、ますます需要が高まっています。
フレッツ光全戸加入プランを導入することで入居者の増加を見込めるため、空室対策になります。
導入後のメンテナンスが無料
建物一括タイプのシェア型インターネット設備の場合、メンテナンスや保守で管理の手間がかかり、別途費用もかかります。しかし、全戸加入プランの場合は、NTTが設置した機器の保守とメンテナンスを全て無料でサポートしてくれます。
大家にとって導入後のメンテナンスが無料である点は、大きなメリットだと言えるでしょう。
長期入居・入居率のアップに繋がる
フレッツ光全戸加入プランを導入して、高速インターネットを全部屋無料で使えるようにすることで、入居者の長期入居・入居率のアップに繋がります。
インターネットがない物件では、入居者はネット環境を自分で契約しなければなりません。入居者自身で契約すると年間5万円以上の費用がかかります。
一方、インターネット無料物件であれば、入居者に費用負担が一切ありません。インターネット環境がある物件では、煩わしい手続きや余分な費用の出費が抑えられます。そのため、入居率が高くなり、退去されにくくなります。
「フレッツ光全戸加入プラン」のデメリット
メリットがある一方、フレッツ光全戸加入プランを導入するデメリットもあります。入居者自身でしなければならない手続きもあり、トラブルになることもあるかもしれません。
注意点などをしっかりと明記しておくことで、トラブル回避が可能です。ここでは、フレッツ光全戸加入プランのデメリットについて解説します。
- 現在契約しているプロバイダは解約する必要がある
- フレッツ光以外の他社回線の解約には違約金が発生する
- オプション料金は入居者負担になる
- 入退去時に入居者自身で申し込みと解約の手続きをする必要がある
- プロバイダの変更によりIPアドレスが変わる
現在契約しているプロバイダは解約する必要がある
フレッツ光全戸加入プランで利用できるプロバイダは指定されています。「ASAHIネット」「ぷらら」「WAKWAK」の3社です。
つまり、入居者がこれら3社以外のプロバイダを利用していた場合、解約する必要があります。入居者が元々使用していたプロバイダを解約する際、契約期間外での解約となると違約金が発生してしまいます。
トラブル回避の意味合いも含めて、入居者に違約金が発生しない期間に解約するように伝えたり、大家自身が違約金を負担したりするなど、事前に対策を考えると良いでしょう。
フレッツ光以外の他社回線の解約には違約金が発生する
フレッツ光全戸加入プランを導入する際に、入居者が他社の回線を使っている場合、契約月以外の解約には違約金が発生します。違約金が自己負担となると、トラブルの原因になりかねません。
プロバイダと同様、違約金が発生しない期間に解約をしたり、違約金を大家が負担したりするなど、事前に対策を決めておくことで、入居者とのトラブルを防げます。
違約金が発生する可能性について周知する手間がかかるため、大変かもしれません。
オプション料金は入居者負担になる
フレッツ光全戸加入プランでは、「ひかり電話」や「フレッツテレビ」などのオプションへ加入できます。しかし、これらのオプション料金は全て入居者の自己負担です。
大家はフレッツ光全戸加入プランの導入案内とともに、オプション料金の負担についても記載しておく必要があります。インターネット無料完備と聞いて入居したのに、オプションは自己負担であると入居後に知らされれば、入居者は不信感を抱きます。
事前に説明することで、トラブルを回避しましょう。
入退去時に入居者自身で申し込みと解約の手続きをする必要がある
フレッツ光全戸加入プランでは、実際に使用する入居者自身がNTTに電話をして申込みの手続きをしなければなりません。また、退去時も入居者自身で解約の手続きをする必要があります。
インターネット無料完備と宣伝しているので、入居後すぐにネットが使えると勘違いしている可能性もあります。入居が決定した時点で、申し込みの手順やNTTの連絡先など、手続きに必要なことをしっかり案内するようにしましょう。
プロバイダの変更によりIPアドレスが変わる
フレッツ光全戸加入プランの導入で既存のプロバイダを変更する際、IPアドレスが変わる可能性があります。
IPアドレスとは、スマホやパソコンなどインターネットに接続している端末ごとに割り振られる識別番号です。ネットに接続する際はIPアドレスを認識してデータのやり取りが行われています。
IPアドレスが変更されてしまうと、今まで使っていたスマホやパソコンが使えなくなるので、Wi-Fiの再設定が必要です。
オンラインゲームやテレワークで既に使用していて、IPアドレスが変わるのは困るという入居者もいるので、事前に告知しましょう。
「フレッツ光全戸加入プラン」の注意点
インターネット無料完備は、入居者から人気の設備です。しかし、フレッツ光全戸加入プランを導入する際の注意点もあります。
- 一括契約できるプロバイダは3社だけ
- フレッツ光と契約中の入居者は転用可能
- 入居者が費用を負担するケース
- 契約期間が5年である
それぞれ詳しく説明します。
一括契約できるプロバイダは3社だけ
フレッツ光全戸加入プランで一括契約できるプロバイダは3社のみです。
そのため、すでにプロバイダを契約している入居者には、契約しているものを解約するか、別途プロバイダだけ自己負担で支払いをするか決めてもらう必要があります。解約する際は、契約期間外だと違約金が発生するので注意が必要です。
契約できるプロバイダは、以下の3社です。
- ASAHIネット
- ぷらら
- WAKWAK
【3社の比較】
ASAHIネット | ぷらら | WAKWAK | |
初期費用 | 770円 | 880円 | 880円 |
月額費用 | 770円 | 660円〜880円 | 880円 |
通信速度 | 1Gbps・200Mbps | 1Gbps・200Mbps | 1Gbps・200Mbps |
IPv6対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
※すべて一戸あたり
フレッツ光と契約中の入居者は転用可能
フレッツ光と契約中の入居者は、転用することができます。転用する際は事務手数料と解約金が0円です。そのため、元々フレッツ光を使っていた入居者は、費用負担をせずにフレッツ光全戸加入プランに加入できます。
しかし、注意しないといけないのが光コラボと契約している場合です。光コラボでは転用ができません。転用できない光コラボを解約すると、契約更新月以外の解約には解約金が発生します。
入居者が「ソフトバンク光」や「ビッグローブ光」などの光コラボレーション事業者と契約をしていた場合は、転用できないので注意が必要です。
入居者が費用を負担するケース
フレッツ光全戸加入プランに加入する際、入居者が費用を負担するケースもあります。
- ひかり電話などのオプション料金
- 既存回線またはプロバイダの解約金
- プロバイダを入居者が支払う場合の月額料金
フレッツ光全戸加入プランをマンションなどの集合住宅で導入する際は、あらかじめ入居者にどの部分で費用負担をお願いする必要があるのかなど、さまざまなケースを想定しておきましょう。
フレッツ光全戸加入プランは、空室対策や入居者の満足度アップに効果があります。そのため、空室を減らすことや入居率アップを目的として導入することが多いです。
入居者の負担を軽減するために、大家が回線やプロバイダの解約金を負担することも検討してみましょう。
契約期間が5年である
フレッツ光全戸加入プランは契約期間が5年間です。あくまでも長期間利用することが前提のため、契約期間自体が長期間になっています。
途中解約する際は違約金が発生してしまうので、注意が必要です。また、提供エリアによって条件が異なるので確認するようにしましょう。
NTT東日本 | NTT西日本 | |
契約期間 | 5年間 | 5年間 |
途中解約の場合 | 契約期間残月数分の月額利用料 | <5年未満>利用料金相当額の60%
<5年以上10年未満>利用料金相当額の50% |
契約更新期間 | 1年単位の自動更新 | 1年単位の自動更新 |
「フレッツ光全戸加入プラン」入居者のメリット
ここまでは、大家側のメリットについて解説してきました。ここでは、フレッツ光全戸加入プランにおける入居者側のメリットについて解説します。
- 高速回線の光フレッツを無料でor安く使える
- インターネットの利用開始までが速い
高速回線の光フレッツを無料でor安く使える
入居者にとって1番のメリットは、フレッツ光の高速インターネットが無料で、もしくは安く使える点です。
通常フレッツ光のマンションタイプは、世帯数や設備、プロバイダにより異なりますが平均して約3,500〜5,500円ほどの料金がかかります。インターネット無料の物件だと個人で負担している3,500〜5,500円ほどの支払いがなくなるのでとてもお得です。
また、個人契約でフレッツ光のファミリータイプやマンションタイプ、フレッツADSLを使っていた入居者は、転用ができます。そのため、回線の工事費用残額と解約手数料はかからずに「全戸加入プラン」への変更ができます。
インターネットの利用開始までが早い
フレッツ光全戸加入プランでは、契約から約1週間でインターネットが開通します。そのため、インターネットの利用開始までが早いです。
自分でフレッツ光に申し込むと、開通まで1ヶ月ほど待たされることも多いです。リモートワークなどでWi-Fiをすぐに利用したい方や、スマホのデータ通信を節約したい方にとって大きなメリットだと言えるでしょう。
「フレッツ光全戸加入プラン」入居者のデメリット
メリットがある一方、フレッツ光全戸加入プランにおける入居者側のデメリットもあります。
- 接続方法が難しい
- 速度が遅いケースがある
- 利用可能なプロバイダが限られている
解決策と合わせて紹介します。
接続方法が難しい
フレッツ光全戸加入プランを利用する場合、NTTからはパソコンを使った接続方法を前提とした案内が届きます。パソコンを持っていない方にとっては、接続方法に少し難しさを感じてしまうことがあるかもしれません。
しかし、パソコンがなければWi-Fiに接続できないということではありません。WiFiルーターがあればスマホでも問題なく接続可能です。
また、わからなくなったらNTTに直接連絡するのがおすすめです。もしくは、接続方法についてまとめたNTTのサイトを参考にしてみてください。
速度が遅いケースがある
フレッツ光全戸加入プランの通信速度は最大1Gbpsですが、通信状況や物件環境によっては、速度が遅くなることもあります。
速度が遅くなるとは言っても、動画を見たりオンラインゲームを行ったりする分には、下り最大300Mbpsあれば十分です。速度が遅くなるからと言って、必要以上に不安になる必要はありません。
また、ルーターをIPv6(IPv4 over IPv6)対応のものに変更することで、速度が改善されるかもしれません。IPv6ルーターでは、混雑時でもスムーズにインターネットが利用できます。古いルーターを使っている方は、買い替えてみても良いかもしれません。
利用可能なプロバイダが限られている
フレッツ光全戸加入プランで利用可能なプロバイダは、3社に限定されています。
そのため、現在3社以外のプロバイダを利用している場合は、プロバイダを解約するか、プロバイダ代だけ自己負担して既存プロバイダを継続利用する必要があります。
ただし、フレッツ光全戸加入プランでは、自己負担すれば入居者が使いたいプロバイダを利用することができます。
フレッツ光全戸加入プランは、大家がフレッツ光の契約と支払いを行うだけであり、実際にはどのプロバイダを使っても問題はありません。
入居者とのトラブルを避けるには?
入居者とのトラブルで多いのは、金銭面のトラブルです。入居者とのトラブルを避けるためには、自己負担する部分を明確に提示する必要があります。
トラブルを避けるためには、以下の4つが有効的です。
- フレッツ光と合わせてプロバイダも一括で導入
- ギガマンション・スマートタイプを契約
- 固定回線とプロバイダの解約金を補助
- 事前案内を各部屋に送付
「インターネット無料完備だから入居したのに」のような不満の声が上がってしまうと、トラブルに発展したり、退去に繋がったりしてしまいます。
費用が発生するケースを明確にし、あらかじめ伝えておくことでトラブルを回避できるでしょう。
まとめ
フレッツ光全戸加入プランを導入することで、空き家対策や長期入居、退去率の低下へ繋げている大家も多いです。導入には費用がかかりますが、入居者の満足度も上がり、メリットも多くあります。他の物件と差別化するためにも、導入を検討するのがおすすめです。
最近では、テレワークなどの普及によりインターネットが必要不可欠です。フレッツ光の高速インターネットが全室無料で使用できる物件となると、入居者からの人気も上がります。
物件によっては条件もあるので、まずは問い合わせてみてはいかがでしょうか。