アパート経営

アパート経営にかかる費用はどれくらい?初期費用や自己資金、維持費について徹底解説!

2023年2月21日

アパート経営には物件取得からその後の経営、そして建物の維持費など、様々な費用が必要です。また、アパート経営は建物を建てて終わりではなく、アパートの維持管理費、空室リスク、老朽化対策など、気を付けなければならない点が多々あります。

そこで今回の記事では、アパート経営に必要な初期費用や自己資金、維持費について詳しく解説していきます。

アパート経営の方法やポイント、リスクも紹介するので、アパート経営を検討中の方はぜひ参考にしてみてください。

目次

アパート経営にはどんな資金がかかる?

前述のように、アパート経営には様々な費用がかかります。ここでは、アパート経営に必要な費用について詳しく解説します。

アパート経営にかかる主な費用は、以下の通りです。

  • アパート建設時の初期費用
  • アパート建設以外にかかる費用
  • アパートの維持費

アパート建設時の初期費用

アパートを経営するためには、何よりもアパートの建物そのものが必要です。アパートの建築から手掛ける場合には木造・鉄骨造・鉄骨コンクリート造があり、それぞれかかる建築費用にも違いがあります。

構造別の坪単価は、おおよそ以下の通りです。

木造 77~100万円
鉄骨造 80~120万円
鉄骨コンクリート造 90~120万円

上記の内、鉄骨コンクリート造はアパートにはあまり見られません。一般的には木造が多く見られます。

アパート建設以外にかかる費用

アパートの建設以外にも、以下のような諸費用がかかるので、注意が必要です。

  • ローン関連費用
  • 登記費用
  • 不動産取得税
  • 火災保険費用

【ローン関連費用】
アパートの建築費用が自己資金だけでは足りない際は、アパートローンを利用することになります。ローンの返済金額だけでなく、事務手数料や印紙代なども関連費用として必要です。

【登記費用】
アパートを建築すると、新規に建物を建てたことを登録する「所有権保存登記」の費用が必要です。また、アパートローンを利用している場合には、抵当権を設定するための「抵当権設定登記」の費用もかかります。

【不動産取得税】
アパートを建築すると、不動産取得税の支払いも必要です。不動産取得税は、アパートの固定資産税評価額の4%と決められています。固定資産税評価額は、アパートの時価のおおむね7割を目安に設定することとされています。

【火災保険費用】
アパート経営では、災害が起きたときに備えて火災保険や地震保険などをかけます。保険金額や補償内容は保険の内容や保険会社によって異なるため、よく検討して選びましょう。

火災保険・地震保険は強制ではありませんが、万が一のリスクに備えて加入しておきましょう。未加入の場合は災害時に建物が倒壊したとしても、保険を適用できずに大きな負債を抱えることになってしまいます。

アパートの維持費

アパート経営には、建物を建てた後も以下のような維持費用が必要です。

【管理費】
アパートの共用部分の清掃や備品管理、賃料の収受・督促、入居者からのクレーム対応などにかかる費用です。また、これらの管理業務は管理会社へ委託するのが一般的です。

【光熱費】
アパートの共用部分には照明器具や植栽などがあります。照明等に使われる電気代や、植栽への水やりや清掃に使われる水道代などがかかります。基本的に毎月発生する費用です。

【修繕費】
アパート設備の修繕にかかる費用です。建物は建ててから年数が経つにつれ、様々な箇所が劣化していきます。劣化した外観などが目立つと、入居者が減る可能性も考えられます。経年劣化により、外壁などの大規模な修繕が必要になるため、長期に渡る計画を立てておくと安心です。

【保険・税金】
火災保険や地震保険などの損害保険料や、賃料収入に対する所得税、アパート所有による固定資産税などは毎年支払う必要があります。

上記の他にも、アパートローンを利用している場合には、毎月のローン返済も発生します。

アパート経営を始めるのに必要な自己資金の相場

アパート経営を始めるためには、自己資金はどれくらい必要なのでしょうか。

建物の建築や購入に必要な資金は高額なため、全額自己資金で賄うのは基本的に難しい場合が多いです。そのため、自己資金で全額を準備できない場合はローンを組みます。

しかし、ローンの頭金や事務手数料などの諸経費には自己資金が必要です。一般的には、必要な資金の総額の内、1〜3割程度の自己資金が必要と言われています。

ローンで借り入れた金額を借り入れ年数で割って毎月返済していくことになるので、アパートの賃料収入や毎月の経費などを考えて計画しましょう。

しっかり収支を考えておかないと、経営の途中でローンの返済に行き詰まることになります。

アパート経営に必要な初期費用

次に、アパートの取得費用について解説します。

アパートの取得費用は建物の構造や規模、建てる地域によって異なるので、事前にしっかり確認しておくことが大切です。

アパート取得にかかる費用

建物の構造別1坪あたりの取得費用は、以下の表の通りです。

建物の構造 1坪あたりの金額
木造アパート(2~3階建て) 40~60万円前後
鉄骨造アパート(2~4階建て) 50~70万円前後
鉄筋コンクリート 70~100万円前後

一般的にアパートの構造は木造のものが多く、鉄筋コンクリート造りのアパートはあまり見られません。

建物以外の費用

建物以外にも、敷地内に駐車場を設置するための費用や、屋外の照明・植栽にかかる費用などがあります。さらに、税金や保険費用など、様々な費用が発生します。

ここでは、建物以外に必要な費用をそれぞれ詳しく見ていきましょう。

不動産取得税

「不動産取得税」は、土地やアパートを取得する際にかかる税金です。取得後すぐではなく、半年後から1年後に請求されるので、忘れずに準備しておきましょう。

不動産取得税は、以下の計算方法で算出します。

不動産取得税=固定資産税評価額×税率(4%)

登記費用

アパートの所有権を証明するためには、登記登録をする必要があります。

建物が自分の所有物であることを証明する「所有権保存登記費用」や、アパートローンを利用している場合の「抵当権設定登記費用」が必要です。

登記費用は、登録免許税と司法書士報酬に分けられます。登録免許税の計算方法は、以下の通りです。

登録免許税=固定資産税評価額×税率

司法書士報酬とは、司法書士に登記を依頼するための費用です。依頼する司法書士によってかかる費用は異なりますが、都市部の司法書士の方が安い傾向にあります。事前に相談し、費用を確認しておきましょう。

印紙税

契約書に添付する収入印紙の代金として、印紙税も必要です。

契約金額によって必要な印紙代が違い、1万円を超える金額の印紙を購入する場合には、事前予約が必要なケースもあるので注意しましょう。

アパートローンの手数料(事務手数料+保証料)

アパートローンを利用する際には、保証料と事務手数料が必要です。

保証料の目安は、借入金額の2%です。事務手数料は、定額制と借入額による定率制がありますが、定額制の場合の目安は3万円程です。

各種保険費用(火災保険・地震保険)

アパートを取得したら、火災保険や地震保険に入りましょう。

アパートの規模や構造などによって変動があるものの、一般的には10年契約で50万円前後のものが多いです。

アパートローンを利用する際には、火災保険に加入することが条件となっている場合もあります。加入の義務はないですが、災害はいつ起こるか予測できないものなので、加入しておく方が安心です。

未加入の期間に大きな災害が起きないとは限りません。万が一アパートが火災に遭ったり、災害で倒壊したりした場合に保険があるのと無いのでは大きな差が出ます。

外注費

外注費とは、以下のようなものを指します。

  • 税理士や弁護士への相談料・依頼料
  • 入居者募集や管理委託を依頼する費用
  • 不動産仲介会社への仲介手数料

税理士や弁護士への相談は時間制となっている場合が多いです。ただ、無料で相談を受けているところもあるので、事前に調べておくと良いでしょう。

アパート購入の手順

ここでは、アパート購入の手順について解説します。

1.購入予算に合ったアパートを探す
自己資金やローンの借入限度額、アパートの立地や設備など、希望の条件に合わせて物件を選びます。

2.アパート購入の申し込みをする
希望のアパートが見つかったら、購入申込書(買付証明書)を提出します。価格交渉が必要な場合は、この時点で行います。

3.アパートローンの審査を受ける
購入申込書(買付証明書)を提出したら、金融会社でローンの事前審査を受けます。この際、場合によっては審査を断られることもあるので、不動産会社や売主などに金融会社を紹介してもらうとスムーズです。

4.売買契約を結ぶ
売主との交渉が双方合意に至ったら、売買契約を結びます。売買契約は、重要事項の説明・売買契約の締結・手付金の支払いの手順で行います。この時、重要事項はしっかり確認し、不明点はこの場で解決しておくことが大切です。

5.管理会社を選ぶ
アパートの管理業務を外部に委託しようと考えている方は、信頼できる業者を選ぶ必要があります。中古物件を購入する場合は、既存の業者を引き継ぐこともありますが、信頼できる業者かどうか見極めなければなりません。

6.アパートローンの本審査を受ける
売買契約を締結したら、ローンの本審査に入ります。物件自体の担保としての価値や、ローン返済が滞りなく行われるかどうかなどが重視されます。本審査にはおおむね2週間から1か月ほどかかることを想定しておきましょう。

7.決済と物件引き渡しをする
ローンの本審査を通過すれば、決済と物件の引き渡しが行われます。物件の引き渡しの際は、売主・不動産会社・金融機関の担当者・司法書士などが同席します。

登記申請などの手続きが全て終了すれば、アパートの取得が完了します。

アパート経営に必要な維持費用

アパートを経営するには様々な維持費用が必要です。ここでは、アパートの維持費や管理費について解説します。

  • 管理費
  • 修繕費
  • リフォーム費
  • 水道光熱費
  • 損害保険料
  • 仲介手数料

管理費

アパートの共用部分の清掃や備品の管理、入居者への対応など、アパート経営には様々な管理業務が発生します。これらの費用は、入居者から管理費・共益費として徴収するのが一般的です。

また、管理業務を管理会社に委託する場合は、管理会社へ支払う管理委託費が発生します。

修繕費

修繕費は、アパートの故障や不具合の修繕、日常的な点検などにかかる費用です。

建築してからの年数が経つにつれ建物は劣化していくので、故障や不具合などが増えていきます。入居者の減少を防ぐためにも、10〜20年単位で大規模な修繕の計画を立てておく必要もあるでしょう。

リフォーム費

入居者が退去した際は、床や壁紙の張り替え、水回りのメンテナンスなどのリフォーム費用が発生します。

リフォームをしっかりと行うことで、内見に訪れる方からの印象が良くなり入居に繋がります。空室リスクを避け、次の入居者を獲得するためにも必要な経費です。

水道光熱費

アパートの共用部分の電気代や水道代は毎月発生します。金額は大きくないですが、毎月発生するものなので注意が必要です。

損害保険料

損害保険料とは、火災保険や地震保険などの保険料のことです。アパートの火災や、地震発生による建物の損壊や倒壊時などに保険が下ります。

自然災害はいつ起こるか予測のできないものなので、入っておくことをおすすめします。1年、5年、10年などの加入期間がありますが、加入期間が経過したら忘れずに再加入しておくことが大切です。

仲介手数料

不動産会社による入居者募集で新たな入居者が決まった場合には、不動産会社へ仲介手数料を支払う必要があります。

仲介手数料は、アパート賃料の半月分です。

アパート経営でのローンについて

アパート経営を始める際は、多くの方がアパートの取得費用にローンを利用します。

ローンを組むことによってアパート経営を始められますが、それに伴うリスクに関してもしっかり確認しておかなければなりません。

現金とローンを併用して元手にする人が多い

アパートを購入する際は、ある程度まとまった現金とローンを併用して利用する方が多いです。現金のみで購入できれば、ローン返済の心配はありません。しかし、全額を現金で準備するのが難しい場合は、ローンを組むことになります。

現金とローンの併用を考えている方は、いくらまで借り入れることが可能なのかなど、金融機関と事前に相談しておくと良いでしょう。

金利を考えないと損をする

ローンを組む際は、金利や返済期間について事前にしっかりと確認しておく必要があります。見込まれる収益をできるだけ正確に予想し、無理のないローン返済が可能かどうかを見極めることが重要です。

空室リスクに備えて手元に資金を残そう

アパートを経営している中で、空室が出てしまうこともあります。しかし、空室が出てしまうとその分家賃収入が減ってしまうため、ローン返済が苦しくなってしまいます。

このような状況も予想し、アパートの満室時から手元に予備資金を準備しておくことが大切です。予備資金がないと、ローンの返済が滞ってしまう可能性もあります。

ローン返済が滞ると最悪の場合、アパートを手放すことにもなりかねません。

アパートローンの借入れ上限額

アパートローンの借入金額には限度額があり、一般的には本人の年収の7〜10倍の金額が目安と言われています。

ただし、限度額は、金融機関や自己資金、これまでの不動産実績などによって変動します。

アパート経営の方法

アパート経営の方法は、主に以下の3つです。

  • 自主管理
  • 管理会社へ委託
  • サブリース契約

ここでは、上記3つの経営方法について詳しく解説します。

自主管理

「自主管理」アパートの管理を全て自分で行う方法です。全ての管理を自分で行うため、委託管理費は発生しません。

しかし、共有部分の清掃や備品管理、入居者対応など、様々な業務を全て自分で行わなければいけないため、時間や労力を要します。

部屋数の少ない建物であれば可能かもしれませんが、部屋数が多い建物であったり何棟もアパートを所有していたりする場合は、難しいかもしれません。その場合は、管理業務の委託を検討しましょう。

管理会社へ委託

アパートに関する諸々の管理を、不動産管理会社に委託する方法です。入居者募集・入居者審査・家賃回収・家賃滞納の対応・共用部分の清掃など、あらゆる業務を請け負ってくれます。

管理会社へ委託する方法が一般的であり、多くのアパートオーナーが管理委託を行っています。

サブリース契約

サブリース契約とは、アパート1棟を一括借り上げしてもらう方法です。入居率に関わらず一定の賃金が支払われるので、空室時のリスクが減らせます。

しかし、空室が続くような状況になるとサブリース会社から家賃の値下げを要求されることもあり、将来まで安定が保証されるわけではありません。

アパート経営に伴うリスク

アパート経営には魅力がある一方で、リスクもあります。アパート経営に乗り出す前に、あらゆるリスクについても想定しておくことが必要です。

ここでは、アパート経営に伴うリスクについて解説します。

金利上昇のリスク

世の中の景気が上がると、通常はそれに伴って金利も上昇します。

ローンの返済を変動金利にしている場合に金利上昇が起きると、最終的な返済額が増えるため注意が必要です。

空室リスク

アパート経営におけるリスクの中でも大きいのが、空室によるものです。空室が出てしまうとその分の家賃収入が減ってしまうため、ローン返済にも影響が出ます。

空室の発生は、立地や設備、経年劣化、事故物件などがよくある原因です。空室が続く場合、リフォームや家賃の値下げなど何かしらの対策をする必要があります。

老朽化のリスク

アパートに限らず、建物は築年数が経てば劣化していくものです。経年劣化によって外壁や設備の見た目に古さが出てくると、入居者が減少してしまい空室が目立つようになります。

老朽化すると大規模なリフォームや修繕が必要です。大規模修繕には大きな費用がかかるため、計画的な修繕を行うことが大切です。

アパート経営に失敗しないために大切な3つのポイント

ここでは、アパート経営に失敗しないために大切なポイントを解説します。

  • 初期費用を抑えつつ競争力を維持する
  • 複数の建築会社でプランを比較する
  • 長期の収支計画で判断する

初期費用を抑えつつ競争力を維持する

アパート経営を考える上で、初期費用を抑えることは大切です。しかし、費用を抑えることばかりに気を取られてしまうと、入居者にとって魅力の少ない物件になってしまう可能性があります。

近年では、インターネットが無料で使えるアパートや、浴室乾燥機の付いているアパートが人気です。魅力的なアパートには入居者も集まりやすく、家賃も高く設定できます。

初期費用を抑えつつ競争力を維持することが大切です。

複数の建築会社でプランを比較する

アパート経営に失敗しないためには、複数の建築会社でプランを比較するのがおすすめです。複数の会社でプランを比較すると、それぞれ建築費に差があることが分かります。それに伴い、諸費用も差が出ます。

プランの違いや価格の違いなどを比較して、希望や予算に合う建築会社を選びましょう。

長期の収支計画で判断する

アパート経営では、初期投資だけでなくその後長期に渡って様々な経費がかかります。

建築会社のプランによっては、初期費用は安くても維持費用が高いケースもあります。初期費用だけでなく、長期の収支計画で判断することも大切です。

まとめ

アパート経営には、建物を購入する費用だけでなく様々な費用がかかります。自己資金やローンの借入限度額、家賃収入、維持管理費用などについて、長期的な収支で判断する必要があります。

また、アパートローンを組む場合も頭金や諸費用、維持費用などには自己資金が必要です。

アパート経営を検討している方は、本記事を参考にしてアパート経営にかかる費用と自己資金について考えてみてください。