アパート経営は儲からないって本当?失敗しないためのコツを徹底解説!
2023年7月25日アパート経営は一般的に収益不動産の代表格として知られていますが、「アパート経営が儲からない」という言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。アパート経営にはいくつかのリスク要因があり、儲からないと言われることがあります。
しかし、コツ次第ではアパート経営で利益を出すことが可能です。
そこでこの記事では、アパート経営が儲からないと言われる理由と、失敗しないためのコツについて詳しく解説します。アパート経営で儲けたいと考えている方はぜひこの記事を参考にしてみてください。
目次
アパート経営が儲からないと言われるわけ
近年アパート経営が儲からないと言われることがあります。その理由として、大きく以下の6つが挙げられます。
- 黒字にするまでに時間がかかるから
- 日本の人口が減少傾向にあるから
- 家賃の相場が下がってきているから
- 多額のローンを背負うことになるから
- 入居者の維持が難しいから
- 知識なしでは経営が難しいから
それぞれ詳しく解説します。
黒字にするまでに時間がかかるから
アパート経営は初期投資が大きく、その投資を回収するには時間がかかるという特徴があります。通常、アパート経営で元本を回収し黒字化するには、数年から十数年以上の時間が必要です。
日本の人口が減少傾向にあるから
多くの方が知っているとおり、日本では少子高齢化に伴う人口は減少傾向にあります。そのため、需要が減少すればアパート経営も受ける影響は大きくなります。
また、若年層の結婚率の低下に伴い、競合の多い都市部ではその需要に見合った家賃を設定するのが難しいという問題もあります。
家賃の相場が下がってきているから
アパート経営で最大の収益源は、家賃収入です。しかし、日本では家賃競争が激化しており、相場に対して高い家賃を設定することができなくなっています。
高い家賃を請求できない以上、アパート経営利益を出すのは難しいのです。
多額のローンを背負うことになるから
アパート経営には、多額のローンを背負うことになることがあります。アパートを建てるには莫大な資金が必要であり、多くの場合は銀行から借り入れる必要があるのです。
長期間にわたって借り入れることになるため、返済には相当な負担がかかります。また、入居者が減った場合や家賃収入が増えなかった場合には、返済に支障が出る可能性もあります。
入居者の維持が難しいから
アパート経営においては入居者の維持が難しいという点もあります。アパート経営に携わる者は、不動産業者としての鑑定力や入居者探しに対するノウハウが求められます。
たとえば、入居者のクレームに対する早急な対応や、退去に際しての手続きなどが必要です。それらを満たせない場合、入居者が次々に退去してしまう可能性があります。
知識なしでは経営が難しいから
知識なしでは経営が難しいという点もあります。アパート経営には、建築や土地用途などの知識が必要です。
初心者には難しい項目として、以下の2つが挙げられるでしょう。
- 積算価格
- 再調達価格
積算価格
積算価格とは「土地」と「建物」の原価のことです。
土地の原価は、土地面積に路線価を掛けて求められます。また、建物の原価は再調達原価と呼ばれる建物を再建築する場合にかかる原価を建物面積と耐用年数に応じて計算することで求められます。
最後に、土地の原価に建物の原価を足すことで、積算価格となります。
再調達原価
「再調達原価」とは、価格時点において土地や建物をもう1度調達することを仮定した場合、どのくらいの額が必要とされるのかを割りだした適正な原価の総額のことです。
これは「再調達価額」あるいは「再調達原価」とも呼ばれています。土地の取得原価・造成費用・建築費などが該当します。
土地は築年数という概念がありませんが、価値がなくなることはありません。それに対し、建物は劣化します。そのため、耐用年数まで使った建物の原価、つまり価値はいずれゼロになるのです。
仮に建物がまだ使える状態だったとしても、耐用年数が経過していたら積算価格では「建物0円、土地1000万円」になる可能性があります。その場合、銀行は積算価格の1000万円までしか融資できません。
アパート経営で失敗する典型例
ここからは、アパート経営で失敗する典型例について紹介していきます。
立地が悪いアパート経営
アパート経営で最も重要な条件のひとつが「立地」です。立地が悪ければ、入居者が集まらず、入居率が低くなります。
以下は、立地の良し悪しに関わる条件の例です。
- 交通の便が良い
- スーパーマーケットやコンビニが近くにある
- 夜間でも比較的安全なエリア
- 騒音や不法投棄の心配が低い
これらの条件が整っている場所でアパートを建てることが望ましいです。
経営を成功させるためには、立地条件には十分注意し市場調査を行ってください。あくまでも需要を見込める立地に建てることが重要です。また、交通の便は最寄りの駅やバス停の数だけでなく、周辺の道路状況や駐車場の状況なども考慮する必要があります。
新築物件を購入して失敗するアパート経営
新築物件を購入してアパート経営を始めようとすることも多いですが、失敗するケースも少なくありません。失敗する典型例として、以下の2つが考えられます。
- 新築プレミアム家賃が下がるパターン
- ローン残債が多く、短期間の売却が困難になるパターン
新築プレミアム家賃が下がるパターン
新築物件では建物の状態が良いため、賃料を高く設定することができます。しかし、しばらくの間は入居率が低く、なかなか入居者が集まらないことがあります。
そのため、家賃を下げてでも入居者を集めようと考えるオーナーが多く、新築でのプレミアム家賃を維持できない場合があります。
ローン残債が多く、短期間の売却が困難になるパターン
アパート経営には多額のローンが必要となりますが、新築物件を購入する場合は、ローン残債がかなりあることが多いです。短期間でアパートを売却する必要が出た場合、ローン残債が高ければ売却価格が高くなるため、売り手側が不利になることがあります。
そのため、初めてのアパート経営であれば、中古物件を中心に探して購入し、リスクを抑えることも重要です。
地域に依存しすぎているアパート経営
地域に依存しすぎたアパート経営の典型例は、大学や企業の近くに建てられたものです。
大学生の入居だけを見込んでアパートを建てると、万が一大学が移転した場合など、周辺環境が大きく変化すると入居者の需要ががらりと変わります。その結果、その地域でのアパート経営が厳しい状況に陥るのです。
つまり、アパート経営を始める際には、自分が開業するエリアがどのような地域かをきちんと調査し、補助的な需要があるかどうかも考慮する必要があります。
アパート経営で失敗しないためのコツ
ここからは、アパート経営で失敗しないためのコツを紹介します。
投資回収を早めるためのコツ
アパート経営をする上で、投資回収を早めることは重要です。ここでは、アパート経営をする際に、投資回収を早めるためのコツを5つ紹介します。
立地の良い場所を選ぶ
立地は、アパート経営において最も重要な条件の1つです。投資回収を早めるためには、立地が良い場所を選ぶことが必要となります。たとえば、駅から徒歩10分以内や商店街のあるエリアなど、人々の足が集まりやすい場所がおすすめです。
部屋の間取りを小さめにする
部屋の間取りは、家賃設定にも大きく影響します。投資回収を早めるためには、部屋の間取りを小さめにし、賃料を抑えることが必要です。
ただし、部屋の質には十分注意して、入居者からの満足度を高めるように心掛けましょう。
戸数を10戸以上にする
アパート経営において、戸数も重要な要素です。投資回収を早めるためには、戸数を10戸以上にすることが必要です。なぜなら、各部屋の単価が下がっても、合計家賃額を確保することができるからです。
物件に付加価値を付ける
アパート経営において、物件に付加価値を付けることも重要です。たとえば、共有スペースの充実、セキュリティシステムの導入、エコ設備の導入などが考えられます。
入居者の満足度を高め、家賃アップを目指しましょう。
一定期間運用したら買い替える
最後に、アパート経営において、一定期間運用したら買い替えることを検討することをおすすめします。長期的に見た場合、物件の寿命やリフォーム費用、地価などが影響して、収益が低下する可能性があります。
そのため、一定期間運用したら買い替えを検討しましょう。
人口減少に対応するコツ
地方の人口減少は、アパート経営に大きな影響を与えています。ここでは、1階の空室対策の方法や入居者のニーズに合わせた部屋作りについて、具体的なコツを紹介します。
1階の空室対策を十分に行う
地方のアパート経営では、1階の空室率が高くなりがちです。そこで、1階の空室率を下げるためには、次のような対策が有効となります。
【専用庭を設ける】
専用庭があることで、家族でのバーベキューや植物の趣味などに使える場所ができます。特に都会には緑のスペースが少なく、専用庭があることが入居の決め手になることもあります。
【物置(トランクルーム)を設置する】
アパートに住む場合、収納が足りないことが多いです。そこで、1階住戸に物置(トランクルーム)を設けることで、より入居しやすい環境を整えることができます。
【ホームセキュリティーを導入する】
防犯面が不安である場合は、ホームセキュリティーの導入を検討しましょう。防犯カメラやセンサー、自動ドアロックなどのシステムを導入することで、入居者の安心感が高まり、満足度も上がることが期待できます。
【植栽等で道路からの目線を遮る】
道路からの目線を遮ることで、防犯面だけでなく、入居者のプライバシーも保護することができます。また、植栽や街路樹などで緑のスペースを創出することで、入居者の生活環境の向上につながります。
【建物を少し上げて道路からの視線を外す】
建物を少し上げることで、入居者のプライバシーを保護することができます。また、台風などの自然災害による被害を防ぐこともできるでしょう。
入居者のニーズに合った部屋を作る
アパート経営者は、入居者のニーズに合った部屋を作ることが必要です。
はじめに、その地域に住みたいと思う方のニーズを把握することが重要です。例えば、大学が近い場所にあるアパートなら学生のニーズに合った部屋が良いでしょう。
また、家族向けのアパートでは、子育てに必要な収納スペースや屋外スペースがあると好評です。
素人で知識があまりない場合のコツ
アパート経営を成功させるためには、不動産や建築についての知識が必要になりますが、素人でも取り入れられるコツがあります。
複数のハウスメーカーのプランを比較する
まずは、ハウスメーカーのプランを比較することが重要です。ハウスメーカーによっては、賃貸住宅向けのプランを提供している場合があります。
複数のハウスメーカーのプランを比較し、コストや間取り、設備などを考慮して選ぶことで、入居者からの需要に合わせた部屋を提供することができるでしょう。
管理委託方式を選択する
管理委託方式を選択することも、初めてアパート経営をする人にはおすすめです。管理委託方式では、管理会社に一定の手数料を支払うことで管理業務を任せることができます。
手続きや業務は専門的な知識が必要です。素人では苦手とする人も多いため、この方法を選ぶことで、効率的な運営を目指すことができます。
賃貸仲介に強い会社に管理を委託する
賃貸仲介に強い会社に管理を委託する方法もあります。賃貸仲介に強い不動産会社にアパート経営を任せることで、入居者募集や契約書作成、退去立会いなどを一括で行ってもらえます。管理費として一定の手数料が必要になりますが、効率的な運営ができます。
多額のローンを背負わないためのコツ
アパート経営は一般的に高い投資額が必要であり、多額のローンを背負うことがあります。ローン返済の負担を減らすためには、以下のコツがあります。
自己資金を十分に用意する
アパート経営にあたり、自己資金を十分に用意することで、ローンの返済期間や返済額を減らすことができます。このようにすることで営業資金や修繕費用も自己資金で賄うことが可能です。
出口戦略で売却を検討する
アパート経営は長期的な投資であるため、将来的に売却することを見据えて投資を行うことが重要です。この場合、売却時には高い評価額を得られるよう、物件のメンテナンスや改装を定期的に行うことが必要です。
減価償却・必要経費を把握する
アパート経営においては、物件自体の価値が減少する減価償却費を把握し、物件にかかる必要経費を計算することが重要です。これらの費用を正確に把握することで、収支の見える化ができ、返済計画策定につながります。
法人設立を検討する
アパート経営を行う場合、法人として経営を行うことで、財務面での安定性を高めることができます。また、法人として運営することで、個人の財産や信用に影響が及びにくくなります。
アパート経営に関するよくある疑問
アパート経営は大きな投資が必要ですが、将来的に高い収益を生み出す可能性があるビジネスです。しかし、多くの人がアパート経営に関心を持つ際には、利益が出るまでに必要な期間や要件について疑問を抱くことがあります。
以下では、アパート経営に関するよくある疑問について解説します。
アパート経営で儲かるまでには何年必要?
アパート経営で儲かるまでにかかる期間は、物件の状態や地域、入居率、賃貸料金などによって異なるため、断言することはできません。
一般的にはアパート経営が黒字になるまでにかかる年数は、10年程度と言われています。場合によっては、それ以上かかる場合もあります。アパート経営は、時間と労力をかける必要があることを念頭に置いて投資することが重要です。
アパート経営するには年収がいくら必要?
アパート経営するために必要な年収はありませんが、個人でローンを組む場合は、収入が安定していることが必要です。
多くの場合、年収1000万円以上になると、マンションやアパートなど実物不動産への投資が有利になります。 なぜなら、年収が高いほど不動産投資ローンの審査が通りやすくなり、借り入れる金融機関の選択肢が増えるからです。
まとめ
この記事では、アパート経営において、投資回収を早めるためのコツについて紹介しました。立地の良い場所を選び、部屋の間取りを小さめにすることで、投資回収を早めることができます。
入居者のニーズに合った部屋を提供すれば、競合他社よりも優位に立つことができ、アパート経営をより安定的に進めていくことができるでしょう。また、戸数を10戸以上にすることや、物件に付加価値を付けることも大事です。
アパート経営で失敗しないためにも、この記事を参考にしてみてください。