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マンションでも光回線の工事はできる?工事内容や確認すべき点などをご紹介

2023年2月8日

現代ではスマホが日常的に必要になっています。スマホを利用する上で、インターネットは重要です。ただ、住んでいるマンションや引っ越し先のマンションで光回線を導入したい場合、工事はできるのでしょうか。

今回は、インターネット環境を快適にする光回線の工事をする上で、知っておきたいポイントを紹介します。光回線工事の内容や費用に影響する配線方式の種類、開通状況の確認方法などを押さえておくことで、失敗やトラブル回避に繋がります。回線速度が遅い原因や工事ができないときの対処法などもお伝えします。

マンションで光回線を導入しようか考えているという方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

目次

マンションで光回線の工事はできる?

マンションに光回線を導入する工事ができるかどうかは、ケースバイケースです。工事が不要の場合もあります。

光回線工事ではマンションに光ファイバーケーブルを通します。光ファイバーを通すために既存の配管等に空きがない場合、壁に穴を開けたり金具を打ち込んだりと大型な工事が必要です。

マンションに傷がつくことや工事音が発生する可能性があり、工事費用も掛かるため、大家さんの許可が下りないことには工事ができません。

工事内容は状況によって異なる

マンションに光回線工事をする場合、導入状況によって工事範囲・内容が変わります。

光回線の導入状況 工事内容
各部屋まで通っている 必要なし
共有部まで通っている 共有部から各部屋への配線工事が必要
全く光回線が導入されていない マンションへ光回線を導入する工事をした後、各部屋へ配線工事が必要

導入状況ごとに工事内容を説明します。

1. 光回線がマンションに導入済みの場合

マンションの部屋まで光回線が導入済みの場合、そもそも工事は不要です。大家さんや管理会社がプロバイダ契約まで済ませてくれているので、LANケーブルや無線LANに接続するだけで、インターネット回線を利用できます。

2. マンション共有部まで光回線が導入済みの場合

マンション共有部まで光回線が導入済みの場合、共有部から自室まで回線を引き込む工事をする必要があります。自室での工事であっても、賃貸マンションでは必ず事前に大家さんに許可を取りましょう。

分譲マンションの場合であっても万が一のトラブルを考慮し、管理組合に許可を取っておくことをおすすめします。

  • 賃貸マンション:大家さんや管理会社の許可をとる
  • 分譲マンション:管理組合の許可をとる

3. 光回線がマンションに導入されていない場合

マンションに光回線が全く導入されていない場合、検討が必要なため、すぐには実現が難しいかもしれません。マンション内の配線工事だけでなく、最寄りの電柱から建物共有部に光ファイバーを引き込む工事も必要になるため、大掛かりな工事となります。

マンション全体に及ぶ工事は大家さんや管理会社、管理組合等の負担となり、費用もそれなりにかかります。

マンション内の光回線の配線方式についても確認しておく

マンション内の光回線は、配線方式ごとに使用回線や速度が異なります。マンションの配線方式は主に以下の通りです。

【配線方式の種類】

  • 光配線方式
  • VDSL方式
  • LAN配線方式

それぞれの配線方法のメリット・デメリットを見ていきましょう。

光配線方式

光ファイバーケーブルにより、光回線を直接利用する方式です。ただし、パソコンはデジタル信号を認識し、光信号を認識できません。ONU(回線終端装置)を介すことで、光信号とデジタル信号が変換されます。

光配線方式のメリットとデメリットは以下の通りです。

【メリット】

  • 回線速度が最も速い

【デメリット】

  • 工事費用が必要になることが多い
  • 工事ができない可能性がある

動画やオンラインゲームなど、画質やスピードにこだわりたい人におすすめです。

VDSL方式

マンション共有部まで届いている光回線を、電話線で各部屋に繋ぐ回線です。各部屋にVDSLモデムを設置しLANケーブルで接続することで、モジュラージャックから届くアナログ信号とパソコンのデジタル信号を相互変換します。

VDSL方式のメリットとデメリットは以下の通りです。

【メリット】

  • 工事費用が少ない
  • 工事の手間が少ない

【デメリット】

  • 回線が混み合う時間帯だと速度が遅くなる
  • 電波干渉により速度が遅くなる

集合住宅ならではの近隣の使用状況や電波が影響を及ぼす可能性があります。

LAN配線方式

共有部まで届いている光回線を各部屋にLANケーブルで繋ぐ回線です。部屋にはLAN差込口が設置されるので、LANケーブルで直接パソコンを接続できます。

LAN配線方式のメリットとデメリットは以下の通りです。

【メリット】

  • VDSL方式に比べ電波の干渉を受けにくく速度が安定しやすい

【デメリット】

  • 古い物件などLAN配線が劣化すると速度が落ちる

光回線の開通状況を確認する方法

マンションの光回線の開通状況を確認するには、以下の方法があります。

  • マンションを管理している会社に問い合わせてみる
  • 光回線のサイトから調べる
  • 物件の情報を不動産サイトで調べる

それぞれについて詳しくみていきましょう。

マンションを管理している会社に問い合わせてみる

マンションの管理会社は建物や設備に関するあらゆる情報を把握しています。特定の物件であれば、光回線についても問い合わせに対応してもらえるでしょう。まだ公表されていない場合でも、回線工事の予定もわかるかもしれません。

光回線のサイトから調べる

引用元:フレッツ光公式HP

マンションの入居先が確定している場合、各光回線業者やプロバイダのサイトで住所を入力すれば回線の提供エリアかどうか確認できるサービスもあります。

物件の情報を不動産サイトで調べる

不動産サイトには、さまざまな物件の情報が掲載されています。回線についての表記は「インターネット対応」「インターネット完備」「光ファイバー対応」などがあります。

  • インターネット完備:部屋までインターネット回線が開通している物件。すぐにインターネット接続が可能。ただし光回線かは不明。
  • インターネット対応:共有部まで回線が届いている物件。各入居者がプロバイダ契約・工事手配をする必要あり。ただし光回線かは不明。
  • 光ファイバー対応:共有部まで光回線が導入されている物件。

いずれの場合も、配線方式までは分かりません。工事が必要な場合は申し込みから開通までに時間がかかるため、急いでいる場合は管理会社に確認したほうが良いでしょう。

マンションの光回線工事にかかる費用はいくら?

マンションの光回線工事にかかる費用は、工事内容によって異なります。回線工事にかかる費用の目安とお得に工事する方法について詳しく紹介します。

回線工事にかかる費用

光回線の工事では、光回線の導入範囲が「共有部までの場合」と「部屋までの場合」で、工事内容が異なります。

光回線が共有部までしか導入されていない場合、基本工事費・交換機等工事費・屋内配線工事費・回線終端装置工事費などがかかり、配線工事費用の目安は約15,000円~45,000円です。

一方、部屋まで導入されている場合は配線工事や機器との接続作業がいらないため、立会い工事は不要です。局内工事代が発生しますが、配線工事に比べ半額以下2,000円程度からできます。

マンションの回線が既に部屋まで届いていても、他社の回線を使用したい場合もあるでしょう。大家さんの許可が下りれば、他の回線を契約することやマンションであっても「戸建てプラン」を契約することも可能です。戸建てプランの工事費用はマンションプランに比べるとやや割高で、20,000円~45,000円が目安になります。

キャンペーンを実施している業者ならお得

回線業者やプロバイダのなかには、キャンペーンを実施している業者もあります。

光回線業者にはNTT東日本、NTT西日本、KDDI株式会社、ソフトバンクグループ、ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社などの通信事業者があります。プロバイダは回線業者の関連会社が大きなシェアを持ちますが、日本インターネットプロバイダー協会だけでも143件が所属しており、選択肢は豊富です。

正規工事料金は何万円もしますが「新規工事が無料」「他社からの乗り換えでキャッシュバック」といったキャンペーンを実施していることがあります。また、回線業者や関連プロバイダの場合は「固定電話とセットで工事代が無料」「スマートフォンとセットで割引」といったキャンペーンを行っていることもあります。

不定期に開催されるキャンペーンもあるので、比較・検討し工事費用を上手に抑えましょう。

マンションの光回線の契約〜設置までの手順とは?

マンションの光回線の契約から設置までの流れは、以下の通りです。

  1. プロバイダへ申し込む
  2. 配線工事の日程を決める
  3. 配線工事

それぞれの手順を詳しくみていきましょう。

手順1. プロバイダへ申し込む

光回線を利用するには、光回線業者の他に接続業者である「プロバイダ」への申込みも必要です。光回線業者によりプロバイダが指定されている場合、自分でプロバイダを選択可能な場合、光回線業者とプロバイダが一体化している場合の3パターンがあります。

プロバイダによって対応エリアは異なり、地域や高層階によっては希望のプロバイダと契約できないケースもあります。各プロバイダには複数のプランがあるので、プロバイダを選択できる場合は、契約内容を事前に確認し、最適なプランを選びましょう。プロバイダと契約する際の主なチェックポイントは以下の通りです。

  • 適合するWi-Fiルーターを持っていない人:無料レンタルの有無
  • 工事後の設置に不安がある人:訪問サポートやリモートサービスの有無と料金
  • 月額料金
  • キャンペーンの有無

手順2. 配線工事の日程を決める

プロバイダへの申し込みが済んだら早めに配線工事の日程を決めましょう。プロバイダやプランにより工事までにかかる日程は異なりますが、通常約2~3週間といわれています。引っ越しシーズンなどの繁忙期は2~3か月待ちになることもあります。なお、工事には立会いが必要です。

手順3. 配線工事

光回線の工事時間は約30分〜90分で終了します。配線工事は、以下のような手順で行われます。

  1. マンションに光回線が全く導入されていない場合、近くの電柱からマンション共有部まで光ファイバーケーブルを引き込む
  2. マンション共有部から自室までケーブルを引き込む
  3. 光コンセントとONUなどの周辺機器を設置する

周辺機器は工事の際に業者が持参するか、事前に契約者に送付されます。周辺機器とパソコンなどの接続は工事範囲外のため、自分で行いましょう。

マンションの回線が遅い!その原因とは?

マンションの光回線は、速度が遅くなってしまうことがあります。主な原因は以下の3つです。

  • マンションやアパートの世帯数が多く混雑している
  • プロバイダ側の速度が不安定
  • ルーターなどの周辺機器の不具合・スペック不足

それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。

原因1. マンションやアパートの世帯数が多く混雑している

マンションやアパートでは、複数世帯が1つの光回線を共同利用しています。多くの世帯で同じ時間に回線を使用すると、回線を分け合う分、速度が遅くなってしまいます。

速度にこだわる場合、混雑する平日夜や土日の時間帯を避けることで速度を保ちやすくなります。あるいは、同じ回線業者でも「マンションプラン」から「戸建てプラン」に契約・変更することができれば、1つの光回線を独占できるため速度の影響を受けにくいです。

ただし、開通には工事が必要で建物を傷つける可能性もあるので、大家さんの許可が必要となります。

原因2. プロバイダ側の速度が不安定

プロバイダごとに、あるいは同じプロバイダでもプランごとに回線の「制限速度」が異なります。プロバイダを選択できる場合、契約前に十分に比較・検討しましょう。通信障害やメンテナンス以外で速度の不安定さが続くようであれば、プロバイダやプランの乗り換えを検討しても良いでしょう。

原因3. ルーターなどの周辺機器の不具合・スペック不足

部屋まで配線済みの光回線を利用するには、回線業者に対応したルーター、ONU、ホームゲートウェイなどの周辺機器が必要です。これら周辺機器は回線業者から無料または有料で貸与されることがほとんどです。

ルーターに熱がこもると回線の速度低下や切断が起こることがあります。電源を切って休ませ、再起動させて回復することもありますが、不具合があれば交換してもらいましょう。自分で周辺機器を用意する場合は、契約した光回線に対応したスペックでないと故障してしまうこともあるため注意が必要です。

マンションの光回線工事を依頼する際の注意点

マンションの光工事を依頼する際の注意点として、以下の3つが挙げられます。

  • 工事には許可を取る必要がある
  • 退去時に光回線も撤去する必要がある
  • 引っ越す場合は光回線も引っ越しが必要

許可や撤去を忘れてしまうと、後々大きなトラブルに繋がりかねません。詳しくみていきましょう。

工事には許可を取る必要がある

マンションの光回線工事は、事前に大家さんや管理会社、管理組合等に許可を取ってから行いましょう。共有部分から自室までの配線工事だとしても建物に穴をあけることになり、工事音が近隣からの苦情の原因にもなりかねません。大家さんにとっては光回線の導入は、メリットだけでなくデメリットも伴います。

退去時に光回線も撤去する必要がある

賃貸マンションでは、原則として退去時の「原状回復」が義務付けられています。原状回復とは、入居前と同じ状態に戻しておくことです。光回線であれば、撤去工事を指します。退去時に慌てないように、設置工事の際に大家さんや管理会社に退去時の取り扱いを確認しておきましょう。

撤去工事では、光コンセントを外しケーブルを壁から抜き、壁の穴を埋めて元に戻します。撤去工事は立ち合いが必要なため、引っ越し予定が決まったら早めに工事の日程調整を行いましょう。レンタルした機器は、プロバイダへの返却を忘れないようにしましょう。

引っ越す場合は光回線も引っ越しが必要

引っ越し後も光回線を継続利用したい場合、回線も引っ越しが必要です。引っ越し先が現在の光回線に対応していれば「移転」、対応していなければ「解約」、必要に応じて「新規申し込み」手続きを行いましょう。

回線業者やプロバイダのホームページから、または契約書に記載されている電話番号から手続きが可能です。なお、移転の場合も手続き完了までに1~2か月かかることがあります。

移転や解約の手数料はプロバイダにより異なり、無料のケースも有料のケースもあります。引っ越しが予想される人は、あらかじめ移転や解約の費用まで調べておくと良いでしょう。

住んでいるマンションで光回線工事ができない場合

マンションによっては、構造上の問題で光回線の工事ができないケースや大家さんの許可が下りない可能性もあります。既に希望と異なる回線が設置されていると新規回線の工事許可が下りない可能性もあります。

しかし、光回線工事ができないからといってインターネット接続をあきらめる必要はありません。光回線に比べ繋がりやすさや速度は劣りますが、以下のような無線の通信回路を使った方法でもインターネット接続は可能です。

  • 部屋でのみ利用する場合:ホームルーターをコンセントにさす
  • 外出先でも利用したい場合:ポケットWiFiを契約する

いずれも月額は3,500~5,000円程度です。用途に合わせて選ぶと良いでしょう。

ホームルーターならコンセントにさすだけで利用できる

ホームルーターは、電源をコンセントにさすだけで接続できる室内据え置き型のルーターです。料金は契約するデータ量によって変動します。部屋でのみ利用する人に適しています。

外出先で作業することがある人にはポケットWiFiもおすすめ

ポケットWi-Fiは充電式で持ち運びができる小型ルーターです。屋外でもポケットWi-Fiのごく周辺であればインターネット接続ができます。外出先での利用が想定される人におすすめの方法です。

まとめ

マンションで光回線工事ができるかどうかは、光回線の導入状況により異なります。既に各部屋まで導入済みであれば工事は不要ですが、共有部まで導入されている場合は部屋まで配線工事が必要です。

配線工事をするには、まずは大家さんや管理組合に相談し許可を得る必要があります。事前に許可をとるようにしましょう。

光回線を導入したのに回線が遅い場合は、時間帯や速度制限、機器の不具合などが考えられます。回線速度にこだわる人は、プロバイダやプラン選びの際に、速度についても問い合わせると良いでしょう。

プロバイダの契約から設置まで、あるいは移転には、数週間から数か月かかることもあります。引っ越しシーズンは工事が混みあいます。1日も早く快適なインターネット環境を実現するために、早めの行動がおすすめです。