マンションにインターネットを導入する際の費用とは?おすすめ4業者を徹底比較
2023年2月24日自分の持っているマンションにインターネットを導入するか迷っているという大家さんも多いのではないでしょうか。インターネット設備がどのようなものかを知るだけで、悩む必要がなくなり、インターネット導入を検討することができます。
ここでは、マンションにインターネットを導入する際にかかる費用やメリット・デメリットについて詳しく紹介します。あわせておすすめのインターネット業者についても徹底比較したので、導入の際の参考にしてください。
目次
マンションにインターネットを導入するメリット
近年インターネットやスマートフォンの普及が進み、インターネットは今では私達の生活に欠かせないものになっています。そのため、インターネット設備が整っているマンションは入居希望者から人気の条件と言えるでしょう。
マンションにインターネットを導入すると生まれるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。メリットについて詳しく見ていきましょう。
現代社会でネットは必須
総務省『令和2年度版情報通信機器の所有状況』によると、世帯保有率が83.4%となったスマートフォン。インターネット使用も当たり前となった現代において、インターネット設備は欠かせないものとなっています。そのため、入居の条件としてインターネット設備があることを設定する人も多くなっています。
全国賃貸住宅新聞が調査した「人気設備ランキング2020」によると、「入居者に人気の設備ランキング」1位は、「一人暮らし向け物件」「ファミリー向け物件」共に「インターネット無料」となっています。無料にするかどうかは別としても、インターネットが導入された物件に関心が高いということがわかります。
空室対策になる
マンションにインターネットが導入されていると、空室対策としても大きな効果が期待できます。今ではインターネットは日常生活に欠かせないツールのため、インターネットが導入されているマンションは入居者からの需要が高まっています。
また、昨今物件情報サイトの検索条件に「インターネット設備」「インターネット無料」といった選択肢があることからもわかる通り、入居者はインターネットがあるかないかで物件を選んでいます。空室を埋めるためにも、インターネットの導入を検討してみるのも良いでしょう。
また賃貸ポータルサイト『SUUMO』の物件検索結果によると、インターネット設備がある賃貸物件は65%程度といわれています。仮に入居者が引っ越しを考えた場合でも、新たな物件にインターネット設備があるとは限らないため、退去防止に繋がる可能性もあります。
賃料をアップできる
マンションにインターネット設備があることによって、その導入や維持コストを家賃に還元することができます。一般的にインターネット回線にかかる費用は5,000~7,000円と言われていますが、それよりも少ない額であれば賃料に含んでしまっても良いかもしれません。
ただし、インターネット設備があるからといって家賃を急激に上げても利回りが上がるとは限りません。また、家賃を上げ過ぎてしまうと入居者の不満に繋がる可能性もあるので、周囲の家賃相場から大幅に値上げするのは避けましょう。家賃をアップする場合は、2,000~3,000円ほどに抑えることをおすすめします。
仮に賃料アップのためにインターネット導入を考えている場合、費用対効果を十分に考えて導入を検討しましょう。
ほかの物件との差別化にもなる
マンションにインターネット設備を導入することで、近隣の物件との差別化を図ることができます。近隣に同じような条件の物件があった場合、インターネット回線が整備されている物件の方が選ばれやすいでしょう。
とあるインターネットの調査によると、平均70~80%程度の入居率だった物件が、インターネット無料設備を導入した後90%以上と高い入居率を保てるようになったそうです。特に引っ越しシーズンでもある2~3月には、前年度よりも紹介件数が増えたそうです。
マンションにインターネット設備を導入している物件のニーズは高まる一方なので、今後インターネットを導入したマンションは増えていくことが考えられます。導入を検討しているのであれば、できるだけ早めに決断し導入すると良いでしょう。
マンションに導入できるインターネットの種類とは?
マンションにインターネットを導入するにあたってデメリットもあります。インターネットの導入によって生まれるデメリットについても詳しく見ていきましょう。
大きな工事が必要になることもある
マンションにインターネット設備を導入する場合、大きな工事が必要になる場合があります。それによって多額のコストや時間がかかったりすることも。工事内容がどの程度になるかは建物の構造や配管方法、建築年数などによって決まります。
そのため、インターネットの導入を検討しているのであれば、あらかじめ業者に工事はできるのか、工事内容はどうなるのか、工事期間はどの程度になるのかなどヒアリングして、把握しておくと良いでしょう。
工事内容によって異なりますが、工事が長引く場合は住民への工事期間の通知や騒音などのフォローも必要となります。また内容によっては入居者の部屋への立ち入りが必要となる場合もあります。
初期費用やランニングコストが必要になる
インターネット設備の導入には、工事費などの初期費用のほか、毎月の利用料や保守管理費用などのランニングコストがかかります。
ランニングコストは業者や契約プランによって異なりますが、一般的に1戸数万円ほどと言われています。また業者によって初期費用無料サービスを行っていることもあるので、初期費用を抑えたい方はチェックしてみるのも良いでしょう。
インターネット導入の際は、業者と話し合ったり、複数の業者から見積もりをもらったりするなどして、費用対効果をよく考えて導入することが重要となります。
クレームに繋がることもある
マンションにインターネット設備を導入した後に、使用するインターネットの通信速度が遅いと入居者からのクレームに繋がる場合があります。
これはネットの種類にもよりますが、マンションでは、利用者の多い時間帯に、通信速度が遅くなる場合などもあります。また、ここ数年テレワークによるオンライン会議や授業などが普及してきたので、コロナ禍前に比べて、速度の遅さを気にする人も増えているようです。
クレーム回避のためにも、業者にあらかじめ導入するインターネットの通信速度を聞いておくと良いでしょう。
マンションに導入できるインターネットの種類とは?
マンションに導入できるインターネットの種類には以下のものがあります。
- 共用部設置タイプ
- 宅内設置タイプ(埋め込みタイプと設置タイプ)
いずれもメリットとデメリットがあるので、マンションの環境に合わせて選ぶことが重要です。それぞれのメリットやデメリットについて詳しく見ていきましょう。
共有部に設置するタイプ
共有部設置タイプは、光ファイバーを近くの電線から引き込み、建物の共用部に設置しているルーターからWiFi電波を各部屋へ飛ばす方法です。
このタイプのメリットは、共用部だけの工事なので工事費用を抑えることができる点です。また、短時間で工事が終わるため、工事日程の調整などが必要なく簡単に導入することができます。
しかし、ひとつのWiFi機器を複数戸で共有することになるため、利用者が多い時間帯は通信速度が遅くなったり、電波状況が不安定になったりするなどデメリットもあります。また、建物の構造によっては、WiFi電波が届きにくかったり、そもそも共用部設置タイプに未対応であったりすることもあります。
宅内に設置するタイプ
宅内に設置するタイプは光回線を各部屋へLAN配線で引いた後、WiFiルーターを壁面に埋め込んで設置する埋め込みタイプと、ホームルーターと呼ばれる置き型のWiFiルーターを部屋に設置する置き型タイプの2種類があります。
どちらも各部屋にWiFiルーターを置くので、共用部設置タイプよりは安定したWiFi環境が期待できます。しかし、工事の有無やメリット・デメリットなど、違いがあります。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
埋め込みタイプ
埋め込みタイプは近くの電線から光回線を各戸へ引いた後に、WiFiルーターを壁面に埋め込んで設置するタイプのものです。
メリットとしては、WiFiルーターが壁の中に隠れるので配線の必要がなく、見栄えが良い点です。また、退去時にルーターを持ち去られてしまう心配もありません。さらに、ルーターが共用部ではなく室内にあるため、より速く安定した通信速度でインターネットが提供できます。
しかし、各部屋での室内工事が必要になるため、入居者との日程調整が必要になり、工事期間も長くなってしまいます。また、工事費用も高くなります。
設置タイプ
設置するタイプはホームルーターと呼ばれる置き型のWiFiルーターを部屋に設置するタイプのものです。
室内にルーターを設置するので各部屋での工事が不要なうえに、共用部設置タイプよりも安定したWiFi接続が可能になります。また、ホームルーターの本体価格は、月額料金から引かれることが多いので実質無料でインターネットが利用可能です。
しかし、入居者の退去時に置き型ルーターを持ち去られる可能性があります。それに加え家電の近くなど室内での設置場所によって電波障害が起こる可能性があります。
マンションにインターネットを導入する場合にかかる費用
マンションにインターネットを導入する際に気になるのは導入費用ではないでしょうか。以下が導入にかかる費用です。
- 工事費用などの初期費用
- プロバイダーとの契約費
- 保守管理などの月額費用
一般的に初期費用は50~120万円、月額費用は1~3万円と言われていますが、インターネット業者や工事内容、契約内容などによって異なります。また、導入するインターネットの種類によっても異なります。インターネットの種類ごとにどのくらいかかるのか見ていきましょう。
共用部に設置するタイプを導入する場合
共用部設置タイプは、各部屋での工事は必要なく共用部だけの工事になります。そのため、工事費用が抑えられるという点がメリットです。工事費用としてかかる初期費用は、10戸で約30〜40万円程です。
ランニングコストとして月額費用が3万円ほどかかりますが、比較的高くないのも魅力です。しかし、定期保守点検の費用や通信障害が起きた時の対応は別途追加料金がかかることもあります。そのため、結果的に合計費用が高くなってしまうこともあるので注意が必要です。
見積もり時や契約時に気になった点は業者へ確認しておくと安心です。
宅内に設置するタイプを導入する場合
宅内に設置するタイプには、「埋め込みタイプ」と「設置タイプ」の2種類があります。
それぞれ初期費用や月額費用が異なるので、詳しく見ていきましょう。
埋め込みタイプ
埋め込みタイプはルーターを壁に埋め込むため、各部屋での工事が必須です。戸数分の工事費用がかかるため、初期費用は設置タイプと比べて高くなります。また、LANポートがあるタイプと従来のコンセントタイプがあるので、選ぶタイプによっても費用が異なります。
工事費用としてかかる初期費用は10戸で30〜40万円ほどです。また、メンテナンスなどの月額費用は1~3万円ほどなので、共用部に設置するタイプより高い傾向にあります。
埋め込みタイプは費用がかかりますが、見栄えが良かったり安定したインターネットが提供できるのでメリットもあります。費用対効果を考えて導入するか決めると良いでしょう。
設置するタイプ
置き型タイプといわれる設置するタイプのWiFiルーターは、室内に設置するだけなので各部屋の工事は不要です。初期費用は3~10万円ほどで他のタイプと比べて安価と言えます。
また、ルーターの購入費用とランニングコストでインターネットが使用可能です。設置するタイプは費用のかからない、経済的なタイプと言えるでしょう。
人気のインターネット事業者の特徴もチェック
インターネットを導入してくれる事業者は数多く存在します。会社によって費用やサービスなどが異なるのでそれぞれの特徴を確認した上で、契約すると良いでしょう。ここでは、6社の人気インターネット事業者を、特徴を踏まえながら紹介していきます。
- バッファロー
- エレコム
- レジデンシャル
- eブロード
- B-CUBIC
- ダンゴセレクト
バッファロー
引用元:バッファロー公式サイト
- 建物の構造や規模に合わせて通信機器を選定してくれる
- 高機能ルーターを採用
- 現地調査・設置から保守まで、トータルでサポート
WiFi機器の大手メーカーである「BUFFALO(バッファロー)」。建物の構造や規模などを事前に調査し、その結果に合わせて「共用部設置タイプ」と「各戸設置タイプ」の2つから適切なタイプを提案してくれます。
導入する機器は、IPv6対応の高機能ルーターなので、高品質で快適なWiFiを入居者に提供することができます。また、現地での調査やインターネット導入、保守点検等を一貫してサポートします。サポート窓口まであり、サポート体制もばっちりなので、初めてマンションにインターネットを導入する大家さんでも安心です。ただし、初期費用や月額費用は比較的高いです。
エレコム
引用元:エレコム株式会社公式サイト
- 小型ルータープラン、無線APプラン、同軸プランの3種類
- 現地調査費用は0円
- 導入から保守まで一元化
充実したサポート体制が魅力の「エレコム」。小型ルータープラン(宅内型)・無線APプラン(共用部設置タイプ)・同軸プランの3つのプランがあり、マンションに合ったものを選ぶことができます。プランごとに費用が異なるので、予算に合わせて選ぶことができます。
また、現地調査を無料で実施してくれるので、導入するインターネットのタイプを迷っている大家さんでも依頼しやすいでしょう。サポート体制も充実していて、事前調査・設置から保守までトータルでサポートしてくれるので困りごとがあっても安心です。
エレコムは、LANケーブルを使って電力を供給するPoE対応の無線アクセスポイントを導入するので、電気工事コストを削減することができます。また、全てエレコム製品でWiFi工事を行ってくれるので導入もスムーズに済みます。
充実したサポート体制が魅力の「エレコム」には、小型ルータープラン(宅内型)、無線APプラン(共用部設置タイプ)、同軸プランの3つのプランがあります。また全てエレコム製品で導入してくれるため、作業もスムーズです。
レジデンシャル
- 有線LANを利用した「RIXIO」と無線LANを利用した「RIXIO Air」の2つのプラン
- ネットワーク機器の永久無償交換
- 提供エリアは関東のみ
賃貸住宅向けのインターネットを提供している「レジデンシャルインターネット」。光回線(有線LAN)を利用したインターネットサービス「RIXIO」と、LANケーブル接続の必要がないワイヤレスインターネットサービス「RIXIO Air」の2種類のプランがあります。
初期費用が無料で導入できるうえ、月額料金も12,000円からと低コストでインターネットを導入可能です。
ネットワーク機器が故障した場合は永久的に無償で交換してくれたり、経年劣化によって機器が故障した場合は無償で交換したりしてくれます。また、困りごとがあったときには、自社のサポートセンターが対応し、自社一括管理でサポートしてくれるので安心です。ただし、関東圏限定のサービスなので、関東圏以外の方は利用できません。
eブロード
引用元:eブロード公式サイト
- 「埋め込みタイプ」で部屋内すっきり
- 既存の電話配線を使用
- 価格が低め
低コストで導入できる「eブロード」。部屋に既にある電話配線を使用し、LAN配線で各部屋にインターネットを接続させます。パソコンとマルチメディアコンセントを繋ぐだけで、すぐにインターネットが利用できるので、ややこしい設定は必要ありません。
光回線、プロバイダ、テクニカルサポートまで全てワンストップで対応してくれるのも安心です。さらに、他のメーカーよりも低めの価格設定になっているため、低コストでのインターネット導入を希望する大家さんにおすすめです。
B-CUBIC
引用元:B-CUBIC公式サイト
- 初期導入費用0円プランあり
- 高スペックなWiFi6に対応
- フルメンテナンスサポート
株式会社ブロードエンタープライズが提供する「B-CUBIC」。契約プランはベーシックプラン、他社切り替えプラン、ガスセットプラン、新築マンションプランの4つがあります。また導入にかかる初期費用が0円なので、契約時にまとまった費用が発生しないのも魅力です。
さらにIPv6対応の機器を採用しているので、入居者に高品質なインターネット環境を提供することができます。自社のコールセンターがあるので困りごとがあるときでも安心です。また機器の故障や交換の場合も、追加の費用は掛からず行ってくれます。
ダンゴセレクト
引用元:ダンゴセレクト公式サイト
- 空室対策などの知識もある
- セキュリティ面でもサポートあり
- 工事不要かつ低コストで導入可能
「ダンゴセレクト」は、空室対策をはじめとした幅広い専門知識を持った不動産経営のプロです。インターネット無料はもちろん、防犯カメラや後付けオートロックなどセキュリティ面もサポートしてくれます。業界最安値なのに最新設備を提供してくれるのもポイントです。
インターネットはテレビ回線を利用し、LAN配線不要のインターネットを導入してくれるため、工事が不要になり低コストで導入できます。1戸当たり1,000円前後なので、低コストで導入したい大家さんにおすすめです。また、IPv6に対応した機器なので、入居者に高品質で快適なインターネット環境を提供できます。
まとめ
今回はマンションにインターネットを導入する際にかかる費用やインターネットを導入するメリット・デメリットについて詳しく解説してきました。インターネットは現代では欠かせないツールなので、導入することで生まれるメリットが多くあります。
また、人気の業者やおすすめの業者も紹介したので、どの業者が良いのか迷っている大家さんはぜひ参考にしてください。こちらの記事を参考に自身のマンションに適したインターネットを導入し、大家さんにとっても入居者さんにとってもWin-Winの関係を築いてください。