マンションにネット回線は通ってる?光回線を中心に確認方法を調査!
2023年2月16日日常的に利用するインターネットは、引越し後すぐに必要なものの1つです。引越し先がマンションの場合、光回線がすでに通っていることがあり、事前に確認しておくと入居後の手続きがスムーズになります。しかし、自分が住むマンションに光回線が通っているか、どう確認すればいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、マンションで利用できるネット回線の種類、確認方法についてわかりやすく解説します。マンションが光回線に対応していない場合や光回線の導入方法についても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
マンションのネット回線の種類
マンションに光回線が通っている場合、各部屋までは共有スペースを通して光回線が届きます。
配線方法によって特徴が異なり、マンションで利用できる光回線の配線種類は次の4種類です。
- 光配線方式
- VDSL方式
- LAN方式
- その他
それぞれの特徴を一つずつ確認していきましょう。
光配線方式
光配線方式は共有スペースから各部屋まで、1本ずつ光ファイバーケーブルをつなぐ配線方式です。
ほかの配線方式と比較して通信速度が速く、安定したインターネットが利用できるというメリットがあります。デメリットは、光ファイバー自体が高額なため、マンション全体に配線すると設備投資が高くなることです。
また、衝撃にも弱いため、耐震性の低い古いマンションでは震災などの揺れで断線してしまうのも光配線方式のデメリットといえます。
光回線方式の見分け方は、コンセントに「光」または「光コンセントSC」と書かれているかどうかです。光コンセントで一番多いのが、テレビ用アンテナ端子が設置されている一体型タイプです。エアコンダクトや壁の穴からケーブルを引き込む分離型タイプもありますが、どちらも回線速度・安定性は変わりません。
VDSL方式
VDSL方式は共有スペースまで光回線を引き込み、各部屋までは電話回線を利用して接続する接続方式です。古いマンションで導入されていることが多く、元々つながっていた電話回線を利用するため新たに配線工事をする必要がありません。
VDSL方式は1つの光回線をマンション全体で利用するので、回線混雑の影響を受けやすいです。また、共有スペースから部屋まで電話回線を利用しているため、通信速度は最大50〜100Mbps程度まで下がります。夜間など同時に接続する人が増えると、通信速度がさらに遅くなり、通信も不安定になるのもデメリットです。
LAN方式
LAN方式はVDSL方式同様、共有スペースまで光回線を引き込みますが、各部屋まではLANケーブルを利用して接続します。LANケーブルを使うことで、VDSL方式のデメリットである速度低下を解消し、一般的な光回線に多い最大1Gbpsの高速通信が利用できます。
しかし、ひとつの光回線をマンション全体で利用していることに変わりはありません。同時に接続する人が多ければ多いほど速度は低下し、通信も不安定になるため、夜間や休日は快適性に欠けるでしょう。
その他
上記3つの接続方式以外に、ケーブルテレビを利用した配線方式があります。賃貸情報にインターネット完備と記載されている物件は、ケーブルテレビ方式であることが多いです。
ケーブルテレビが利用できるマンションに多く導入されていて、テレビ回線を利用してインターネットに接続します。
通信速度はややVDSL方式よりも速く、最大320Mbpsほど出ますが、安定性に乏しくなっています。
光回線は他の回線と何が違う?
光回線はVDSLやモバイル回線と比較して、通信速度が圧倒的に速いです。下記に回線の種類別に特徴をまとめたので、確認してみましょう。
回線の種類 | 最大通信速度 | 特徴 |
光回線 | 1~10Gbps※ | ・光ファイバーを利用した回線
・現在主流のインターネット回線 |
VDSL回線(電話回線) | ~50Mbps | ・電話線を利用した回線
・料金が安い |
モバイル回線 | ~4.9Gbps | ・工事が不要
・外出先でも利用できる |
ケーブルテレビ | ~320Mbps | ・テレビ回線を利用した回線
・テレビとセットで契約できる |
現在主流のインターネット回線である光回線は、ほかの回線と比較して圧倒的な速さが特徴です。近頃、ポケットWi-Fiなどモバイル回線でも高速通信できるタイプが増えてきました。しかし、料金の高さや通信制限など、制約が多いためあまりおすすめできません。
光回線はキャッシュバックやスマホの割引など、お得に利用できる回線が多いので、安定した回線を安く利用したいのであれば光回線がおすすめです。
光回線の種類
光回線は同じインターネット回線であっても、住んでいる環境で配線方法が異なります。ここではマンションタイプと戸建てタイプ、それぞれの違いについて確認していきましょう。
マンションタイプ
マンションタイプの光回線の特徴は以下の通りです。
- 光回線を共有スペースまで引き込み、各部屋に配線する
- すでに部屋まで配線されている場合、工事が不要
- マンション内で利用者が多いと料金が割引されるケースがある
マンションタイプはさきほど紹介した通り、各部屋までは光配線やVDSL、LAN方式を利用して光回線を引き込みます。すでに部屋まで配線されている場合、光回線を契約するときの開通工事が不要です。また、マンション内で同じ光回線を利用している入居者が多いと、光回線の料金が割引されるケースもあります。
戸建てタイプ
戸建てタイプの特徴は以下の通りです。
- 回線混雑の影響を受けない
- マンションタイプと比較して、料金が高い
- 光回線引き込み時に開通工事が必要
戸建てタイプはマンションタイプと異なり、自宅へ直接光回線を引き込みます。電柱から自宅まで光回線を引き込むため、マンションタイプのように回線混雑の影響を受けません。
ただし、周辺に建物が密集している住宅地では、同じ電柱から分岐して光ファイバーを通すため、通信速度が遅くなる可能性があります。また、光回線を契約するときに開通工事が必要で、料金もマンションタイプよりやや高いのが難点です。
光回線の導入方法
マンションタイプも戸建てタイプも、光回線を導入するときの手順はあまり変わりません。引越し時は必ず光回線の契約を行うはずです。ここからは、導入方法について詳しく解説します。
基本的な光回線の導入手順は以下の通りです。
- プロバイダ・回線業者と契約する
- 開通工事をする
- 機器を設置する
プロバイダ・回線業者と契約をする
光回線を利用するときは、プロバイダ・回線業者と契約する必要があります。プロバイダとはインターネットサービスを提供している業者で、契約しないとインターネットが利用できません。また、プロバイダとは別に光回線を提供している回線業者との契約が必要です。
近頃は「光コラボ」というプロバイダと回線が一緒になった光回線サービスが増えています。光コラボはフレッツ光を利用した回線が一般的で、プロバイダを自由に選べるプランが多いのが特徴です。プロバイダ・回線業者を選ぶ際は、マンションが利用エリア内か、戸数制限などないか確認しておきましょう。
開通工事をする
プロバイダ・回線業者と契約できたら、光回線を利用するための開通工事を行います。開通工事は利用する建物によって異なり、すでに光回線が引き込まれているマンションでは不要になるケースもあります。開通工事は立ち会いが必須なので、休日を希望する場合は早めに予約をとっておきましょう。
開通工事は契約する光回線によって工事費が異なり、キャンペーンを利用すると工事費が実質無料になるケースがあります。また、開通工事が1回で済む場合と複数に分かれる場合があるので、契約時に確認しておくと安心です。
機器を設置する
光回線は周辺機器を接続しなければ、工事が完了しても利用ができません。開通工事が完了したら、ONUやルーターなど周辺機器を設置しましょう。ONUは終端装置と呼ばれる光信号とデジタル信号を変換する機器で、光回線を利用するためには欠かせない機器です。Wi-Fiを利用するのであれば、Wi-Fiルーターの接続もしておきましょう。
ONUやルーターの接続・設定方法は、プロバイダーから送られてきた書類に詳しく記載されています。ONUの設定は作業員が行いますが、ルーターは自分で設定しなければなりません。設定が不安な方は、設定サポートなどを利用すると良いでしょう。
ネット回線の確認方法
マンションへ引っ越す際は、内見時に光回線が導入されているか確認しておくと安心です。引越し後インターネットが使えないと不便になってしまうため、事前にしっかりと確認しておきましょう。
ここで光回線が導入されているか確認する方法について3つ紹介します。
- 不動産会社に確認する
- 物件情報を確認する
- 内見で光コンセントがあるか確認する
不動産会社に確認する
これからマンションを契約するのであれば、事前に不動産会社に確認する方法が確実です。確認するときは、導入されている回線サービスやプロバイダを確認しておくと良いでしょう。ケーブルテレビなど、回線速度があまり速くない回線サービスだった場合、別途光回線を利用して良いか聞いておくと安心です。
まだ契約するマンションが決まっていない、不動産会社に連絡が取れない場合は次の確認方法を試してみてください。
物件情報を確認する
賃貸物件を探すときは、物件情報にインターネットについて記載されているか確認してみましょう。インターネットが導入されているマンションでは、インターネット完備や対応と記載されていることが多く、それぞれ意味が異なります。
- インターネット完備:入居後すぐにインターネットが利用できる
- インターネット対応:プロバイダと契約すればインターネットが利用できる
- インターネット非対応:建物に回線が通っていないため、モバイル回線もしくは戸建てタイプで導入する必要がある
インターネット完備の場合は、アピールポイントとして記載されていることが多いです。インターネット非対応と記載されていても、ほかの住民が光回線を導入したことで回線工事が済んでいるケースもあります。物件情報を確認する際は、あくまでも参考程度に留めておき、契約前に改めて不動産会社に確認しましょう。
内見で光コンセントがあるか確認する
すでに内見予約をしている場合は、実際に光コンセントがあるか確認するのもおすすめです。テレビコンセントや電話用コンセントに「光」または「光コンセントSC」と記載されていた場合は、光回線が導入されています。
光コンセントはエアコンダクトの近くの壁に設置されていることもあるため、コンセント付近に光の文字が見つからなかった場合は壁も探してみましょう。まれに天井裏に設置されているケースもあり、自己判断に迷ったときは物件を紹介してくれた担当者に聞いてみると調査してくれます。
マンションがネット対応していない場合の対処法は?
マンションがインターネットに対応していない場合、次の3つの対処法を試してみてください。
- ホームルーターを使う
- モバイルWi-Fiを使う
- 回線工事を行う
ホームルーターを使う
ホームルーターはコンセントに挿して、インターネットに接続するWi-Fiルーターです。auやdocomo、SoftBankなどのモバイル回線を利用した回線で、5G対応ホームルーターも登場しています。据え置き型のルーターとなっていて、モバイルWi-Fiよりも通信速度が速く、同時接続出来る台数が多いのが特徴です。
コンセントに挿すだけなので開通工事の必要がなく、光回線ほどではありませんが比較的安定したインターネットが利用できるでしょう。ただし、5Gエリアになっていない場所や人の多いエリアでは回線速度が低下するデメリットもあります。
モバイルWi-Fiを使う
モバイルWi-Fiは、スマホと同じくらいのサイズで持ち運びができるWi-Fi端末です。家だけでなく、外出先でも頻繁にインターネットを利用する方に向いています。モバイルWi-Fiは光回線やホームルーターよりも割安で利用できるケースが多いです。
モバイルWi-Fiは持ち運びできるメリットがありますが、通信速度や安定性など回線品質があまりよくありません。中には月の利用通信容量が決まっていることがあり、容量を超えると速度規制にかかる場合もあります。モバイルWi-Fiを利用する際は、制限がないか事前に確認しておく必要があると言えるでしょう。
回線工事を行う
マンションが光回線に対応していないときは、戸建てタイプを契約するのもおすすめです。デメリットとしてマンションタイプよりも月額料金が高くなりますが、通信速度が速く安定したインターネットが利用できます。
ただし、マンションで戸建てタイプを契約するには、いくつか確認しなければならない点があります。戸建てタイプを契約する際は以下の点に注意してください。
大家さんや管理会社に許可を得ること
光回線を導入する際、必要なのが回線工事です。回線工事は壁への穴あけ等が発生する可能性が高いため、大家さんや管理会社から許可をもらわなくてはなりません。許可をもらわずに勝手に工事をしてしまうとトラブルの原因となるので、光回線を導入したい旨を事前に相談しておきましょう。
分配か引き込みかで料金が大きく変わる
すでにマンションの共有スペースまで光回線が引き込まれている場合、部屋まで分配する工事のみで済むため、工事費用が比較的安価です。しかし、マンションに光回線が通っていない場合、電柱から新たに光回線を引き込む必要があるため、工事が大掛かりとなり工事費用も高くなります。
業者が希望回線に対応しているか確認しよう
光回線には対応しているプロバイダが決まっているため、契約したいプロバイダがある場合は事前に確認が必要です。たとえば、A回線業者の光回線を導入しているマンションでは、その回線業者がサービス提供しているプロバイダとしか契約ができません。
これからマンションを探す場合は、利用できる回線を確認した上で契約するか、個別で光回線の契約が可能か確認してみましょう。
回線が遅い場合はどうすればよい?
マンションで利用する光回線はさまざまな要因で遅くなりますが、配線方式が原因であることが多いです。比較的新しいマンションは光回線方式が導入されていることが多いですが、古いマンションには対応していない物件が多数あります。
ここでマンションのインターネット回線が遅いと感じたときの対処法について、3つ紹介します。
- まずは速度を計測しよう
- 配線方式を変えてみよう
- 配線が変えられない場合は回線自体を変えてみよう
まずは速度を計測しよう
インターネット回線が遅いと感じたら、まずは回線速度の計測をしてみましょう。回線速度は速度計測サイトで確認できます。よく利用されている計測サイトを以下にまとめました。
回線速度の結果は利用する計測サイトによって異なることが多いので、複数のサイトでチェックするのがおすすめです。通信速度の目安をインターネットの利用用途ごとにまとめたので、参考にしてみてください。
利用用途 | 必要な回線速度目安 |
メール・LINE | 128kbps~1Mbps |
Webサイトの閲覧
SNS |
1~10Mbps |
動画視聴 | 5~20Mbps |
Web会議
ゲーム |
25~100Mbps |
配線方式を変えてみよう
上記の回線速度目安よりも回線速度が遅い場合、配線方式の変更で速度が改善されることがあります。ただし、マンションのオーナーや管理会社の許可がないと、配線方式は変更できません。
配線方式の変更は共有スペースから配線し直したり、室内に穴を開けたりと大掛かりになるケースが多く、オーナーや管理会社はあまりやりたがらないことが多いです。また、建物の構造上変更できないケースも少なくありません。しかし、相談すると入居者の満足度向上のために検討してくれるオーナーもいるので、試しに相談してみるのも良いでしょう。
配線が変えられない場合は回線自体を変えてみよう
配線方式が変更できない場合は、インターネット回線そのものを変更する方法があります。変更する回線の選択肢は次の2つです。
- 戸建てタイプの光回線
- ケーブルテレビなど光回線以外のインターネット回線
マンションでもオーナーや管理会社から許可がもらえれば、戸建てタイプの光回線を導入できます。戸建てタイプの光回線であれば、回線混雑の影響を受けにくく回線速度の改善が期待できるでしょう。
また、ケーブルテレビやモバイル回線などは、利用環境によっては光回線よりも速度が速くなるケースがあります。
テレビをよく見る方であれば、インターネット回線とパック料金になっているケーブルテレビがおすすめです。モバイル回線も外出先で利用できるメリットがあるので、インターネットの利用方法によっては検討してみても良いでしょう。
まとめ
マンションの光回線は、各部屋で一つの光回線を共有していることが多いため、回線速度が遅くなりがちです。物件によってはすでに光回線が通っていることもあるので、できるだけ物件を契約する前に確認しておくと良いでしょう。
光回線を導入する場合は開通工事が必要なため、事前に工事立ち会いの予約が必要です。特に土日や引っ越しシーズンは、工事予約が取りにくいので工事希望日をいくつかに分け、早めに連絡しましょう。