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店舗兼住宅の賃貸経営ってどうなの?メリットや注意点を徹底解説!

2023年2月22日

この記事を読んでいる方の中には、「店舗兼住宅の賃貸経営をしてみたい」「賃貸経営はリスクが高いイメージだけど、実際はどうなの?」というような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。

事業所や店舗のみを貸し出す事業賃貸は、利回りが高く魅力的な一方、リスクが高いイメージもあります。店舗兼住宅とは、1階にコンビニエンスストア・スーパーマーケット・ドラックストアなどの店舗が入り、上階が住居といった建物のことを指します。

簡単ではありませんが、ベテランの不動産経営者でなくてもポイントを押さえることができれば、高利回りの賃貸経営も夢ではありません。

今回の記事では、店舗兼住宅の賃貸経営におけるメリット・デメリットや注意点、入居者が好むテナントを紹介します。店舗兼住宅の賃貸経営を考えている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

目次

店舗兼住宅の賃貸経営におけるメリットは?

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店舗兼住宅とは、1階が事務所や店舗で2階以上が賃貸といったスタイルの物件です。事業所用の賃貸物件は、高利回りである点が魅力です。しかし、莫大な投資額が必要なため、初心者の方にはハードルが高いかもしれません。そのような初心者でも始めやすいのが「店舗兼住宅の賃貸経営」です。

店舗兼住宅の賃貸経営におけるメリットは、以下のようなものが挙げられます。

  • 利回りが高い
  • 内装費がかからない
  • 人気のない1階を店舗にできる
  • 保証金の一部を償却金として設定できる
  • 空室対策としての効果がある

1つずつ丁寧に解説していきます。

利回りが高い

1つ目のメリットとして、店舗兼住宅用の賃貸物件は家賃単価と利回りが高いことが挙げられます。住宅用の賃貸物件は生活するための場所なので、個人の事情によって解約されるケースが多いです。

しかし、事業用で利用される賃貸物件は、利益が出ないと判断されるまで退去する確率は低いです。住宅用よりも家賃単価が高めかつ退去しづらいため、入居する事業者を募集できれば安定的な家賃収入を得られます。

ただし、入居する事業者を集客できなければ、毎月維持費だけがかかります。事業者にメリットを感じさせるアピールポイントを伝えたり、宣伝や広告で集客を強化したりしましょう。

内装費がかからない

2つ目のメリットは、内装費がかからないことです。一般的な賃貸住宅は退去するときに、貸し手側に原状回復の義務が発生します。しかし、事業所や店舗などの事業物件はスケルトン渡しといった、内装のない状態で次の借り手へ引き渡されるのが一般的です。

最近では内装に力を入れる企業も増えていますが、退去時に内装をデザインした借り手側に原状回復の義務が発生します。退去時は、借り手側がスケルトン状態に戻して返却をしなければいけません。貸し手側としては、その分の費用や修繕費などを節約できるのがメリットです。

また、1棟貸しの場合は利用用途に関係なく共用スペースの維持管理費を借り手側が負担します。

人気のない1階を店舗として貸し出せる

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3つ目のメリットは、人気のない1階を店舗として貸し出せることです。店舗兼住宅の賃貸経営をすると、人気のない1階を店舗として貸し出せます。住宅としての賃貸物件の1階は日当たりが悪かったり泥棒が入りやすかったりするため、特に女性の入居者から不人気です。

住宅にすると人気のない1階に居住者から人気の高いテナントを誘致できます。そして、入居者へ便利な賃貸物件であるとアピールできます。

店舗からの家賃収入も得られるため、安定した家賃収入に繋がるでしょう。安定した家賃収入があれば、銀行から融資を受けたローンの返済も捗ります。

保証金の一部を償却金として設定できる

4つ目のメリットは、保証金の一部を償却金として設定できることです。保証金とは、入居者の家賃滞納や原状回復費用として契約時に借り手側が貸し手側に支払うものです。

敷金が代表的な保証金の例で、一般的に家賃1〜3ヶ月分を貸し手に支払います。退去時に返還義務があり、貸し手側の利益にはなりません。

店舗兼住宅の賃貸経営では、契約によりますが保証金の一部を返還義務のない償却金として設定できます。また、住宅とは異なり、店舗兼住宅の保証金は6ヶ月〜12ヶ月分で設定するのが一般的です。

受け取る保証金の額が増えるだけでなく、一部を償却して収益として計上できます。

空室対策としての効果がある

5つ目のメリットは、空室対策としての効果があることです。入居者にとって便利な店舗が1階にあれば、上階の空室対策になります。引っ越しを検討する方の中には、生活必需品が購入しやすいコンビニエンスストアやスーパー、ドラックストアに近い物件を探す方も多いのではないでしょうか。

物件の1階に利便性の高い店舗があれば、周辺施設を気にして引越しをする方の目に留まり、空室対策にも繋がります。特に単身者用の住居であれば、「コンビニが1階にある」などのアピールは効果的でしょう。

店舗兼住宅の賃貸経営にはデメリットもある?

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店舗兼住宅の賃貸経営には、デメリットもあります。主に以下のようなものです。

  • 空室リスクがある
  • 借り手のニーズを把握しづらい
  • 融資の審査が厳しく時間がかかる
  • 立地が悪いと店舗経営に向かない
  • 店舗兼住宅の賃貸経営でよくある入居者とのトラブル

店舗兼住宅の賃貸経営は利回りが高く、魅力的に感じる方も多いのではないでしょうか。とはいえ店舗兼住宅の賃貸経営にもデメリットがあるので、注意が必要です。

事前にデメリットを把握していれば、賃貸経営の成功率を高められるでしょう。

空室リスクがある

1つ目のデメリットは、空室リスクです。店舗や事務所用入居者の退去は少ないと解説しましたが、リーマンショックやコロナショックのような景気悪化で、退去してしまうリスクもあります。

また、住居用よりも賃料が高く、中々テナントが入らない場合もあります。空室期間が長引くと経営が圧迫されるため、注意が必要です。

借り手のニーズを把握しづらい

2つ目のデメリットは、借り手のニーズを把握しづらいことです。事務所や店舗物件は内装のないスケルトン渡しが多く、事業者側が求める物件の規模や間取りを把握しづらいと言われています。

そのため、借り手が見つかりづらいです。空室期間が長引くこともあり、ひどい場合は経営不振になることもあります。

融資の審査が厳しく時間がかかる

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3つ目のデメリットは、融資の審査は厳しく、時間がかかることです。貸し手側の資金力や過去の不動産実績から、借り手側が反社会的勢力ではなく、経営状態が悪くないかどうかを確認します。

融資が始まるまでの時間がかかるため、スムーズに賃貸経営を始められないケースもあります。しかし、審査に時間がかかるのはデメリットだけではありません。審査に通れば、「ある程度信用できる物件」という金融機関のお墨付きが貰えるチャンスでもあります。

立地が悪いと店舗経営に向かない

4つ目のデメリットは、立地が悪いと店舗経営に向かないことです。店舗兼住宅の賃貸経営をするなら、立地の良し悪しはとても重要です。

一般的な賃貸物件であれば、教育機関や公園などの周辺環境、家賃相場などを比較します。一方、店舗兼住宅では店舗経営に向いてる場所なのかが大切です。

以下のような2つのポイントに当てはまる物件は、店舗兼住宅の賃貸経営には向きません。

  • 交通量が多いのに、バイクや車の駐車スペースのない物件
  • 奥地で人の目にも止まりにくく、集客しづらい物件

このような物件では、よっぽど店舗の魅力がなければ経営が上手くいきません。利益を生まない事務所ならまだしも、住みやすい住環境や商業地でなければ店舗を維持するのは難しいでしょう。

店舗兼住宅の賃貸経営でよくある入居者とのトラブル

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店舗兼住宅は入居者にとってのメリットがある一方で、以下のようなトラブルが起きる可能性もあります。

  • 騒音問題
  • 匂い・煙の問題
  • ごみ問題

1つずつ解説するので、しっかりと対策を考えましょう。

トラブルとその対策①:騒音問題

騒音問題はどの賃貸物件でもよく聞くトラブルですが、店舗が入るとさまざまな騒音トラブルが発生します。早朝から夜間まで人の出入りが激しく、配送業者のトラックから荷下ろしをする音や、駐車場がある店舗であれば車のドアの開け閉め音、バイクエンジンの音など、思っている以上に住宅へ音が響きます。

他にも1階に24時間営業のコンビニエンスストアがあると、入居者以外の方も多く深夜利用するため、人の話し声で騒音トラブルに繋がります。

このような騒音トラブルを避けるためには、以下のような対策が効果的です。

  • 防音性のあるドアの設置
  • 部屋の窓ガラスを複層にする
  • 店舗の入り口と反対側にベランダを設置
  • 店舗に近い階の部屋は家賃を低めに設定

騒音トラブルは店舗内だけでなく店舗外から発生するケースも多いため、外の音をできるだけ室内に響かせないような対策をすると良いでしょう。

建設後にできる対策はごく僅かなため、設計の段階で可能な限り騒音を回避できるような間取りなどについて相談すると良いでしょう。

トラブルとその対策②:匂い・煙の問題

1階に飲食店が入っている際は、騒音の他に匂いや煙が原因でトラブルに繋がるケースもあります。例えば、中華料理屋や焼き鳥屋などのダクトから出た煙が入居者の干していた洗濯物に匂いがついてトラブルに発展するケースなどを想定できます。

匂いや煙の対策方法は、以下の2つです。

  • ベランダやドアとは反対方向、もしくは屋上に抜けるよう排気ダクトを設置
  • 飲食店は軽食だけを提供する店舗にする

設計書の作成時やテナントを決めるときから、匂い・煙への対策を考えておきましょう。

トラブルとその対策③:ごみ問題

1階に飲食店やコンビニエンスストアなどがあると、事業者や店舗利用者によるごみ問題が発生します。想定されるのは、悪臭や害虫による被害です。

テナントによるごみの管理が不十分だと、カラスやネズミが残飯を食い荒らし、周辺の環境悪化に繋がります。このようなケースでは、テナントへのごみ出しや清掃などについての指導が効果的です。「騒音・悪臭・ごみの問題はテナントのせい」と考える気持ちも分かりますが、物件を管理する義務は貸し手側にもあります。

また、オーナーやテナントではなく行政へクレームを入れる入居者もいます。最悪の場合、行政からオーナーへ直接指導が入るケースもあるので注意が必要です。

退去者が出て家賃収入を減らさないためにも、クレームには誠実な対応をしたり、テナント側への指導を徹底したりしましょう。

店舗付きアパート・マンションで人気のテナントは?

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人気の高いテナントがアパート・マンションに入れば、物件の大きなアピールポイントになります。そのため、入居率の改善や空室対策にも繋がるでしょう。

店舗付きアパート・マンションで人気のテナントは、以下のようなものです。

  • コンビニエンスストア
  • スーパーマーケット
  • ドラックストア

1つ目は、コンビニエンスストアです。ドラックストアやスーパーと比べ営業時間が長く、24時間営業のため時間を気にせず利用できるのが最大のメリットです。ATMやコンビニ決済、商品の郵送など商品購入以外でも利用ができるため、入居者から高い人気があります。

2つ目は、スーパーマーケットです。日々の買い物に利用するため、人気が高いです。深夜営業のスーパーマーケットもあり、帰宅時間の遅いサラリーマンやOLへのアピールにもなります。

3つ目は、ドラックストアです。病院に行けない場合でも市販薬がすぐ手に入るため、安心感があります。コンビニエンスストアよりも日用品の品揃えが良く、安価で購入できるのもメリットです。最近では野菜やお肉などの食料品を置く店舗もあるため、スーパーマーケットのように利用することもできます。

店舗兼住宅の賃貸経営を行う際の注意点

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店舗兼住宅の賃貸経営で注意しなければならないのが入居者とのトラブルです。前述したようなトラブルを避けるためには、以下の注意点を意識しましょう。

  • 受け入れる業種を慎重に検討する
  • 火災や事故の対策をする

それぞれ解説するので、店舗兼住宅の賃貸経営を考えている方は、参考にしてみてください。

受け入れる業種を慎重に検討する

店舗というとさまざまな候補がありますが、飲食店を受け入れる場合は慎重に検討しなければいけません。店舗の上では入居者が生活しており、飲食店から出る匂いが洗濯物に付きやすいです。

焼き肉店やラーメン屋、カレーショップなど、匂いの強い料理を扱う飲食店には注意する必要があります。そもそも受け入れないのも選択肢の1つです。受け入れるなら、建設する際に十分な対策をしましょう。

もし、飲食店を検討する場合は匂いがあまり気にならないようなパン屋や喫茶店、その場で調理をしないような店舗を選ぶのがおすすめです。

火災や事故の対策をする

レストランやカフェなどの飲食店は、ガス漏れや火災リスクがあります。対応が遅れると大規模な火災で物件を失います。最悪の場合、人的被害が起きる場合もあり、今後の経営に悪影響を及ぼしてしまいます。

住宅だけの賃貸経営よりも、火災・事故への対策を徹底しましょう。周辺環境の調査や火災保険の加入など、徹底した対策を行うのがおすすめです。

店舗兼住宅に関する法規制をチェック

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店舗兼住宅はどこにでも建設できるわけではありません。日本では、法規制に基づいて街が整備されています。ここでは、店舗兼住宅に関する法規制について解説します。店舗兼住宅の賃貸経営を行う際は、以下の2つに注意しましょう。

  • 店舗兼住宅の建設場所は制限されている
  • 物件の所在する用途地域に注意

それぞれ詳しく解説します。

店舗兼住宅の建設場所は制限されている

店舗兼住宅の建設場所は制限されています。飲食店は許可が下りないけどコンビニエンスストアは許可されるといったケースや、2階以下なら飲食店を建設できるといったケースがあります。

店舗兼住宅の建設にはさまざまな制限があるので、建築や法律の専門家への相談もしましょう。

物件の所在する用途地域に注意

物件を建てる際に注意しなければいけないのが用途地域です。主に第1種低層住居専用地域と第2種低層住居専用地域の2種類があり、さまざまな制限があります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

第1種低層住居専用地域

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第1種低層住居専用地域は、1〜2階建て程度の住環境を守るための用途地域です。厳しい条件が設けられており、店舗兼住宅を建設する際は、一定の条件を満たす必要があります。

第1種低層住居専用地域における条件は、以下の3つです。

【第1種低層住居専用地域の制限】

  1. 飲食店やその他店舗の建築不可
  2. 道路向かいの場所から20〜35m以内に物件を建設する
  3. 建物の高さは10〜12m以下(第2種低層住居専用地域の制限と同じ)

参照元:国土交通省「住宅団地の再生に関係する現行制度について

店舗兼住宅の賃貸経営を考えている方は、以上の制限に気を付けながら物件選びや建設などを行いましょう。

第2種低層住居専用地域

第2種低層住居専用地域は、低層住宅(1〜2階建て程度の住宅)の住環境を守るための用途地域です。第1種と比べて制限は厳しくなく、条件を満たせば飲食店の経営もできます。

【第2種低層住居専用地域の制限】

  1. 教育機関を含む150㎡までの店舗
  2. 雑貨販売・美容室・クリーニング店など限定される

参照元:国土交通省「住宅団地の再生に関係する現行制度について

第2種低層住居専用地域では、広さと店舗の種類に制限があります。店舗の種類によっては建築ができないため注意しましょう。

まとめ

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店舗兼住宅は、店舗や事業所の単体経営よりも手を付けやすい賃貸経営です。しかし、解説したようにリスクや規則もあるため、メリット・デメリットを把握した上で検討を進めましょう。

経営を行う上で一番重要なのは、入居者の確保やテナントの魅力などです。魅力的なテナントを見つけることで入居者を集め空室を防ぐことができます。そのためには、テナントと入居者のトラブルを避け、細心の注意を払い、事前対策を行うことが大切です。

安心安全で快適に入居者が利用できてこそ、高利回りな家賃収入を実現できます。店舗兼住宅の賃貸経営を始めようと考えている方は、ぜひ本記事を参考にして挑戦してみてはいかがでしょうか。