火災保険の請求は自分でもできる?実際の申請方法や申請のコツを徹底紹介!
2023年7月26日「火災保険の請求方法を知りたい」「申請のコツを知りたい」
いつか何かあったときのために、火災保険申請の流れを知っておくことは大切です。
今回は、台風や竜巻など自然災害で屋根や雨樋が壊れてしまったときに、火災保険会社に被害申請する方法をお伝えします。
コツや方法を知っておくだけでも、何か困った時の役に立つのでぜひ最後までご覧ください。
目次
火災保険請求の流れ
まずは火災保険請求の流れを簡単に確認しておきましょう。
被害にあったときには、気分が動転していることが多いため、今のうちに把握しておくことが大切です。万が一がある前に最低限の流れだけでも把握するようにしましょう。
1.保険会社に連絡をする
被害が出たときはすぐに契約している保険会社か、保険代理店に連絡をしましょう。電話やメールのほか、ホームページからお問合せでも連絡が可能です。
連絡したときに聞かれる内容は以下の5つが挙げられます。
- 契約者氏名
- 発生日時場所
- 被害の状況
- 保険証番号
- 連絡先
保険会社によってはほかの内容を聞かれることがありますが、上記の内容を話せば概ね連絡は完了します。特に、保険者番号は、通知書を紛失して番号が分からなくなるケースが多いので、忘れにくい場所に保管する、保険者番号をメモしておくなど番号がわからない状況を防ぐことが大切です。
2.業者に修理見積書を作ってもらう
保険会社に連絡を入れ終わったら、次はリフォーム会社や修理業者に見積もりを依頼します。業者の方は、火災保険の見積書を作成するのに慣れているので、被害状況が保険請求の対象になるかしっかり確認してもらいましょう。
また、見積もりをもらう際には、工事の総額だけでなく、部品の種類や数まで細かく見積もりをもらってください。大雑把な見積もりの場合は、不適切な申請であるとして保険金が減額されたり、申請自体を却下されたりしてしまいます。
修理見積書の依頼は、保険請求の実績がある業者に依頼してしっかりとした見積書を作ってもらうことが大切です。
3.必要書類の準備をする
次に、見積書以外に必要な書類を準備していきます。主な必要書類は以下の通りです。
保険金請求書 | 保険金振込先や他の保険契約の有無などを記載する。 |
印鑑証明書 | 保険金請求者の本人確認のために提出する。保険金請求書等の押印欄には印鑑証明書と同じ印影のものを押印する必要がある。 |
委任状 | 保険金の請求を、保険請求サポートなどの第三者に委任する場合や、保険金受取人が複数おり、代表の方に委任する場合に提出する。 |
罹災証明書 | 罹災の事実確認のために提出する。火災の場合は消防署、水災の場合は市町村役場で発行可能。 |
事故内容報告書 | 事故の原因や被害状況の確認のために提出する。 |
建物登記簿謄本 | 建物の所有者や所在地を確認するために提出する。法務局(出張所)で発行可能。 |
修理見積書 | 修理内容や部品材料の数量・単価の詳細内訳が必要。 |
損害明細書 | 損害品を記入する書類。保険会社によっては指定のフォーマットがある場合も。 |
写真 | 被害物件全体と被害箇所の写真が必要。 |
事故内容証明書や損害明細書に関しては自分で記入していく必要があるため、間違いがないように保険会社や保険サポート会社に確認しながら完成させるのをおすすめします。
また、こうした書類では、細かく論理的に書くことがコツです。保険申請が却下された場合は、保険金を受け取ることができないので、間違いなく論理的に記入ができているかを複数回チェックするようにしましょう。
4.実地調査
次に火災保険申請サポート業者の現地調査があります。物件の全体を確認しながら以前の状態とすり合わせを行います。
外側だけでなく内側も見られます。どんなに小さなことでも補償対象に含まれることもあるので、あらかじめ伝えてください。
高額な保険金請求や、各種証明書に不備があった場合は実地調査が入りやすい一方で、低額の申請や書類に不備がない申請では、保険会社とのやり取りだけで完結する事が多いです。保険請求の手間を少しでも減らせるように、最低限書類に不備がない状態で申請を行うよう意識しましょう。
5.保険金の入金
審査が通った後に入金が行われます。決定通知書が届いてから1週間以内に保険金が振り込まれるので、振り込みが遅ければ保険会社に状況を確認するようにしましょう。
もし、サポート業者に保険の請求を頼んでいる場合は報酬の支払いを忘れないように注意してください。
火災保険請求のコツ10個を紹介
ここでは、火災保険請求を行うときに役立つ10個のコツを紹介します。
これを覚えておくだけで火災保険料が変わることもあるので、1個1個しっかりと確認していきましょう。
すぐに保険会社に連絡する
損害を見つけたらなるべくすぐに保険会社に連絡しましょう。損害が起きてから時間が経つと、原因特定や前の状態との比較が難しくなります。
また、台風などの自然災害の場合は、問い合わせが増えるため保険会社も混乱に陥ってしまい、対応が遅いこともあります。その場合は、メモと写真に詳細を残しておいて、時間が経っても安心して資料を作成できるようにしておきましょう。
申請サポート業者に依頼する
火災保険の申請は、プロに依頼することをおすすめします。火災保険の申請は書類を集めるだけでも非常に手間がかかるうえに、不備がないように気を張らなければなりません。そのため、慣れていない素人が申請するよりもプロに任せた方が確実に希望額を得られる可能性が高いです。
なお、申請サポート業者の中には悪徳なものも存在しているので、信頼できる業者を見つけて依頼するようにしてください。
複数の業者に依頼する
修理を行うためには業者を探す必要があります。しかし1つの業者に依頼してしまうと、高く見積もられることもあります。
まずは、複数の業者に相見積もりを出してもらい、その後見積もり額や修理内容によって選ぶのがおすすめです。業者選びのスピード感は大切ですが、しっかりと比較をしたうえで業者を決めていきましょう。
保険代理店を挟まないようにする
火災保険の審査は保険会社が行います。そのため、直接やりとりする方が手続きがスムーズにいくという特徴があります。
また、代理店の指標のなかには、「支払保険金額をどれだけ抑えられたか」というものがあるため、保険金の申請に協力的ではない場合も多いです。火災保険の契約は代理店を挟まずに、本店と直接契約を結んでおくのをおすすめします。
鑑定人の言葉を鵜吞みにしない
鑑定人の言葉を鵜呑みにしないことも大切です。鑑定人は損害の有無が不明であったり、確認が必要な場合に来ます。専門家の意見として保険の審査に取り入れられるため、鑑定人の報告が審査に大きく影響してきます。
まずは、鑑定人の言葉に安易に納得しないようにしましょう。契約者として主張したいことは主張しておかなければ、受け取り金額が下がってしまう可能性があります。
鑑定人に対して虚偽報告をしないことと、査定額の交渉をしないことを頭に入れながら、主張しておきたいことはしっかりと伝えておくことが大切です。
事故発生日を明確にしておく
火災保険には被害が発生した日時・原因を明確に資料に書き込む必要があります。ここが曖昧だと審査に通りにくく、金額が下がる可能性もあります。
損害を確認できた時点で必ず写真とメモで証拠を残しておきましょう。
契約内容は再確認する
火災保険の契約内容は必ず再確認してください。契約の補償内容によって、建物のみ・家財のみ・建物家財の双方の3通りに分かれます。
保証内容を把握しておかないと、思っていたより負担金が大きくなることもあります。
被害箇所の写真を撮っておく
被害箇所の写真は必ず取っておくようにしましょう。写真は、誰がみても被害内容がわかるものが好ましいとされています。
建物の一部が崩壊していたとしても、一部ではなく全体を映すことで被害の範囲が分かりやすくなります。写真があっているか不安な場合は一部と全体など何枚かとっておくとよいでしょう。
保険金が少ないと感じたら抗議をする
給付金が想定していたよりも少ない場合は、保険会社に対して異議申し立てが可能です。このとき、文句を言うのではなく、事実を伝えることを意識しましょう。
異議申し立てが行われると、もう一度審判した後再度金額を提示されます。
また、保険会社がそもそも現地に来ていない場合は、来てもらうよう依頼しましょう。お金がかかるからといって簡単に済まされてしまうと安くなってしまうことが多いです。
書類はきちんと揃える
審査書類に不備があった場合、書き直したり再度提出したりと時間がかかります。
時間がかかるだけならまだしも、申請漏れが発生して給付金が少なくなってしまうこともあります。まずは書類をきちんと揃えることを意識しましょう。
火災保険申請に必要な書類
ここでは火災保険請求に必要な書類の中で、特に重要なものを詳しく説明していきます。間違えないように気をつけて記入してください。
保険金請求書
保険金請求書は、氏名や住所、振込先など基本的な内容を記載する書類です。
簡単ですが、間違った情報を記載してしまうと振り込みがうまく行われないので注意しましょう。特に振込先は番号の記載ミスがないか何回もチェックするようにしてください。
事故内容報告書
事故内容報告書は、損害の状況や原因について報告する書類です。世帯主や家族構成といった基本的な情報から、事故発生日時や事故原因、事故状況を書く必要があります。
詳細に論理的に書くことで審査に通りやすくなるため、状況と現状をしっかり思い出して嘘偽りなく記載しましょう。
工事の見積書
見積書に関しては自分で準備はできません。工務店やリフォーム業者に調査を依頼して、作成する必要があります。
実際にかかる費用や修理内容を詳しく記載してもらいましょう。見積もりには有効期限があるので、振り込まれ次第即契約することをおすすめします。
被害箇所の写真
火災保険の請求は、証拠として建物や損害箇所の写真を提出します。上空から真横からなど建物全体をうつして、被害状況が分かりやすい写真を取りましょう。
難しい場合は撮れるところだけでもよいので、少しでも撮っておきましょう。また、購入時の写真があるととても便利なので、火災保険に入った人は今すぐ家全体の写真を撮っておきましょう。
審査に通らないことも?審査に落とされる理由4選
火災保険は審査が厳しく、落とされてしまうことも多々あります。ここでは、審査が降りない理由としてよくあるものをまとめたので、審査を受ける前に確認しておきましょう。
経年劣化にされる
1つ目に損害を経年劣化にされてしまうことが挙げられます。
火災保険は地震や災害によって受けた損害を補償するものですが、専門業者が調査したところ経年劣化が原因であったと言うことがよくあります。
経年劣化ではない証拠を示せれば審査をもう一度してもらえるため、抗議してみてもよいです。
機能に問題のない損害である
外壁に擦り傷がついた、フローリングに傷がついたなど破損が機能性に問題ない場合は補償対象外になります。
基本的に専門業者に頼めば判断してくれるので、おすすめです。また、故意につけた破損は補償対象にならずに信頼を下げることになるので絶対やらないようにしてください。
契約内容の問題
そもそもの契約内容に補償が組み込まれていないことがあります。申請しようと思って気づくこともあるので、どんなプランに入っているのかを確かめてみてください。
免責金額と書かれていた場合は、自己負担額なので修理費用が免責金額以下の場合は補償適用外になることも覚えておくと良いでしょう。
破損が保険加入前のことである
保険加入前の破損の場合は、保険金の請求はできません。万が一申請した場合は、故意な申請として詐欺罪に問われる可能性もあります。
これは、保険に加入した時点で全体の写真を撮っておくことで防げるので、間違いがないように自分でも確認できるようにしておくことが大切です。
まとめ
火災保険は、書類や被害状況をしっかり申請しないと金額が減額されたり、請求を却下されたりする場合があります。確実に保険請求し、金額を受け取れるように時には専門家のサポートを受けながら不備がないように申請をすることが大切です。
保険請求をするときに慌てないように、事前に申請手順を確認しておきましょう。