アパート経営

入居者募集の方法とは?大家さんが行っている募集方法やテクニックを徹底解説

2023年7月26日

マンションやアパートを経営していると、なるべく空き部屋をつくらずに収入を確保し続けたいと考える人は多いのではないでしょうか。空き部屋をつくらないためにも、入居者を募集して入居してもらう必要があります。

そこで、この記事では入居者募集の方法や入居者が決まらないときの問題について詳しく解説します。あわせて、大家さんが実際に行っている募集方法やテクニックについてもまとめました。入居者がなかなか集まらない方はぜひ参考にしてみてください。

目次

入居者募集には種類がある

アパートやマンションの入居者を見つけることは難しく、一般的に不動産会社に依頼することが多くあります。賃貸仲介業者に入居者募集の依頼をする場合、以下の2パターンがあります。

  • 一般募集
  • 専門募集

それぞれの違いについて詳しくみていきましょう。

一般募集:複数の不動産仲介会社に依頼

一般募集は、大家さんが自分で物件を管理している場合に多くとられる募集形式です。複数の不動産業者に平等に入居者募集を依頼することで、入居希望者を察知することができます。

情報がより多く流れ込んでくるといったメリットがあるため、広く知られた方法です。また、多数の不動産会社に任せられるため、どこの会社に任せればいいのかわからないときなどにも選ばれる手段でもあります。

専任募集:特定の不動産会社1社のみに依頼

専任募集は、特定の不動産会社だけに入居付けを依頼する形式です。主に信頼できる不動産を経由して、その不動産会社だけで入居付けを行っており、取り組みとしてさまざまなメリットがあります。

たとえば、依頼している会社が1社だけでも、その1社が他社に情報を提供してくれるので、他社でも入居者を募集することが可能になります。また、やりとりが少なく済むため、大家さんの負担が少なく済む点もメリットです。

さらに、入居者の募集に加え、所有物件の管理契約も同時に結ぶことが多く、入居から管理まで一貫して任せることができる点もメリットといえます。

入居者募集の方法

マンションやアパートの経営者として、空室を埋めるために入居者の募集をしなければなりません。募集方法として、以下の2つの方法があります。

  • 不動産会社に依頼する
  • 大家さん自ら入居者を募集する

それぞれにメリットがあるので、詳しくみていきましょう。

1. 不動産会社に依頼する

賃貸物件の入居者募集は、不動産会社に委託するのが一般的です。経営者自ら営業もできますが、委託することで以下のようなメリットが生まれます。

営業力がある
物件情報を露出してくれる

この2つのメリットについて詳しくみていきましょう。

営業力がある

入居付けには、入居先を探しているお客様に取り扱っている物件の特徴や魅力を伝え営業する必要があります。そのため、物件に住んでもらう契約を結ばせる営業力が必要となってきます。不動産会社に依頼する際は、この営業が鍵になるので注意して観察しましょう。

依頼したい不動産会社の営業力が分からない場合は、内見数と成約件数の比率を見ることで契約に結び付けた営業力を知ることができるので、ぜひ参考にしてみてください。

物件情報を露出してくれる

最近では、賃貸探しは直接不動産会社に行かず、インターネットで調べることが主流になっています。そのため、入居してほしい物件をインターネット上に公開する必要があります。

一般的に、物件を探している人は、SUUMOやアットホームなどの不動産ポータルサイトを見ています。そのため、依頼する予定の不動産会社がそれらのサイトに掲載しているかを確認すると良いでしょう。

また、不動産会社によっては入居者募集中という看板を掲示してくれるところもあります。たくさん人が行き交うところに掲示してもらうことで、物件情報がより色んな人に行き渡るでしょう。

2. 大家さん自ら入居者募集を行う

大家さん自らが入居者を募集することも1つの手段です。不動産会社ほど集客力はないかもしれませんが、以下のようなメリットもあります。

  • 費用がかからない
  • 賃貸経営に必要な知識が得られる

それぞれのメリットについて詳しくみていきましょう。

費用がかからない

不動産会社に入居者募集の依頼・仲介をお願いすると、依頼費用・仲介費用が発生します。また、入居が決まった際には、成約時に仲介手数料が発生します。そのため、不動産会社に依頼すると費用がかかってしまいます。

しかし、大家さんが自ら入居者を募集すると仲介手数料が不要となるので、費用がかかりません。なるべく出費を控えて入居者を取り入れたい場合は、大家さんが直接募集し、賃貸契約を結んだ方が効果的といえます。

賃貸経営に必要な知識が得られる

自主的に入居者の募集活動を行うと、入居者募集の手順や仕組みを学べます。入居者募集の手順を知っておくと、賃貸経営に必要な知識を蓄えることができます。このような知識や経験は、その後の入居者募集活動にも有益なので知っておいて損はないでしょう。

仲介会社との契約方法

不動産を仲介して入居者を見つけるため、大家さんは不動産へ媒介契約もしくは代理契約のどちらかを結ぶ必要があります。ここでは、その媒介契約、代理契約とがどういうものなのかについて詳しく解説します。それぞれみていきましょう。

媒介契約

媒介契約とは、大家さんと入居希望者の間に不動産会社が立って行う契約のことです。媒介とは仲介ともいい、大家さんと入居希望者が出会うまでの機会を作ります。そのため、実際の契約や締結は本人同士で行います。

媒介契約の場合、契約にかかる手間などは大家さんが行う必要があります。

代理契約

代理契約とは、入居者募集から契約まですべての業務を大家さんに代わって不動産会社が行う契約のことです。代理契約の大きなメリットは、大家さんは何もする必要はないのに、入居者を決めることができる点といえます。

ただし、不動産会社側にしっかりと入居者の希望条件を伝えておかないと、大家さんが希望していない条件の入居者と契約される可能性があります。また、不動産会社の系列社内だけで物件情報が掲載され、その情報が広く提供されないケースもあり、入居希望者の目に留まりにくくなることもあります。

入居者がなかなか決まらない!問題とは?

さまざまな方法で入居者を募集しているにもかからず、なかなか入居者が集まらないことがあるかもしれません。そのような場合は、提示している条件や方法に何か問題がある可能性があります。たとえば以下のような問題が挙げられます。

  • 賃料や礼金、敷金などが高い
  • 物件があまりよくない
  • インターネットでの広告が行えていない

それぞれの問題について詳しくみていきましょう。

1. 賃料や礼金、敷金などが高い

昨今の日本では、多くの空き家や空き部屋が増えました。そのため、多くの物件は家賃を下げて対応しているところがあります。そのため、入居者を募集しているのであれば、周辺物件の家賃平均相場を調べ、設定している料金が高すぎないかを確認する必要があります。

相場より高いのであれば、家賃を下げたりフリーレントなどの制度を取り入れたりするなど、周辺物件と差別化を図ると良いでしょう。

2. 物件があまり良くない

所有物件の条件が良くない場合も入居者が集まりにくいでしょう。たとえば、電気コンロや外洗濯機置き場などは不人気です。このような入居者が嫌がりそうな条件が所有物件にないかを確認し、改善できそうな箇所は直すと希望者が増える可能性が上がります。

3. インターネットでの広告が行えていない

現代は物件をインターネットで検索する時代です。一般的に、インターネットでの広告は、賃貸管理会社の業務ですが、掲載されている物件の写真が見にくかったり、そもそも物件情報が掲載されていなかったりすることもあります。

そのようなときは、きれいな物件写真に変更してもらうようにしましょう。依頼しても改善してもらえない場合は、不動産会社の乗り換えを検討すると良いでしょう。

大家さんが行っている入居者募集方法もチェック

所有物件の入居者を募集する際に、不動産会社に仲介してもらうことが多くあります。しかし、大家さんの中には、大家さん自身で入居希望者獲得に取り組んでいる方もいます。大家さんが自ら行っている入居者募集方法には、以下のようなものが挙げられます。

  • 不動産会社に物件のセールスポイントを伝える
  • 不動産ポータルサイトを活用する
  • 入居者に新居入居者を紹介してもらう
  • チラシなどをポスティングする
  • アパートの共用部・室内の掃除をしっかり行う

それぞれの方法について詳しくみていきましょう。

1. 不動産会社に物件のセールスポイントを伝える

不動産会社に依頼する際に、自分が所有している物件のセールスポイントや強みを伝えるようにしましょう。物件の強みやセールスポイントが多ければ、入居者の希望する条件にヒットしやすくなるので、見つけてもらいやすくなるでしょう。

また、不動産会社がお客さんに紹介する際も、セールスポイントが多いその物件を強く推すことができます。そうすることで、内見率も上がり成約率も上がるでしょう。

2. 不動産ポータルサイトを活用する

SUUMOやアットホームといった不動産ポータルサイトに物件情報を掲載してみることも1つの方法です。しかし、ほとんどの場合が不動産会社でないと掲載できないので注意しましょう。

最近では、不動産会社を介さずに大家さん自身で物件登録が行える「ウチコミ」という大家さんと入居者のマッチングサイトもあります。ウチコミは投稿料や利用料、広告料など無料で、物件情報を100%掲載することができます。

また、内見や入居希望があった際は宅地建物取引業者がサポートしてくれるため安心です。入居希望者の目に留まりやすくなるので、ぜひ活用してみましょう。

3. 入居者に新居入居者を紹介してもらう

入居者や退去予定の方に、新入居者を紹介してもらう方法もあります。主な方法として、入居者に「入居者募集中」などと書いたチラシを配り、新たな入居者を探していることを伝えましょう。

ただし、この方法を行う際は、紹介した人にも紹介された人の双方にメリットがあるようにしなければなりません。たとえば、紹介特典としてクオカードなどの金券や、電子ケトルなどの小型家電などが挙げられます。いくつか特典を用意して、好きなものを1つ選んでもらうのも良いでしょう。

4. チラシなどをポスティングする


昔ながらの方法ですが、「入居募集中」のチラシを作成し、物件周辺の家にポスティングする方法もあります。ただし、興味を持ってもらうためには、ある程度作り込んだチラシが必要になるでしょう。

また、入居してほしい物件に近い物件へポスティングする必要があります。たとえば、ファミリータイプの物件情報をワンルームタイプのポストへ投函しても契約に結び付く可能性は低いので注意しましょう。

5. アパートの共用部・室内の掃除をしっかり行う

入居希望者が急に内見依頼をしてくることもあるので、アパートの共用部や室内は定期的に掃除や換気をしてきれいにしておきましょう。空室期間が長いと、排水溝から嫌な臭いがすることがありますが、そのような状況だと契約が遠のいてしまうかもしれません。
しかし、室内がきれいに保たれていると管理が行き届いていると信頼が生まれ、内見者は住みたいと感じるでしょう。また、ゴミ置き場やエントランスもきれいにしておくように心がけましょう。

アパートの掃除に関しては以下の記事に詳しくまとめてあります。あわせてご覧ください。
【KW「アパート 掃除」の内部リンクを設置】

6. 学生生協などの掲示板に物件情報を載せてもらう

物件を掲載する際に、ある程度のターゲットを決めましょう。たとえば、そのターゲットが学生の場合は、大学内の生協などを活用すると効果的です。生協内の掲示板に、学生にとって有益な物件情報があると学生の目に留まりやすくなります。

大学によっては、学生に有益な情報が掲載された冊子やホームページを作成していることもあるので、そこに所有物件の情報が掲載できるか問い合わせてみるのも良いでしょう。

7. 設備投資を行い周辺物件との差別化を図る

入居希望者が物件を選ぶ条件として、周辺の物件と異なった設備があるのか、設備が整っているのかなどが挙げられます。たとえば、インターネットは生活になくてはならないものなので、Wi-Fi無料設置は物件価値を上げることになるでしょう。

また、一人暮らしが多いアパートなどであれば、宅配ボックスの導入なども効果的です。このように、設備投資すると入居につながる可能性が高まります。中には、数千円でできる設備もあるので、費用をそこまでかけたくない方も検討してみると良いでしょう。

まとめ

この記事では、入居者募集方法について詳しく解説しました。アパートやマンションの経営において、空室を埋めることは重要です。そのため、入居者募集はとても大切な鍵といえます。

入居者がなかなか決まらないときは、今行っている入居者募集の方法を見直してみたり、不動産会社に相談してみたりしてみましょう。また、この記事で紹介した、大家さんが実際に行っている入居者募集方法も参考にしてみてください。