アパート経営

アパート経営は儲からない?アパート経営の仕組みや儲かるためのポイント7選!

2023年2月16日

「アパート経営は儲からないのではないか?」「アパート経営で利益を出すためのポイントを知りたい」これからアパート経営を始めようと考えている人の中には、このような疑問を抱えている人もいるのではないでしょうか。

結論から言うとアパート経営は、誰もが利益を出せるものではありません。しかし、アパート経営の仕組みや儲かるためのポイントを知れば利益を出すことができます。

利益を出せている人は、儲かるためのポイントを押さえて収益を作っています。儲かる人と儲からない人の違いを知りたい人も多いのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、以下について解説します。アパート経営が儲からないと言われる理由やアパート経営で得られる「儲かる」以外のメリットなどについて解説していきます。

この記事を読むことで、アパート経営で儲かるためのポイントやメリットを理解できるでしょう。アパート経営を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

アパート経営が儲からないと言われる理由・原因

アパート経営は、以下の理由・原因により儲からないと言われるケースが多いです。

  • 投資回収まで時間がかかるから
  • 多額のローンを組むから
  • 入居率を維持するのが難しいから
  • 人口が減少しているから
  • 予期できない出費があるから

それぞれ詳しく紹介します。

1.投資回収まで時間がかかるから

アパート経営は投資回収までに時間がかかるため、儲からないと言われやすいです。

アパート経営の収入は、表面的利回りによって異なります。表面的利回りは、賃貸の料金に対してどれくらいの収入を得られるかが分かる値です。表面的利回りの値が高いほど、毎月の収入額は高くなります。

現在全国の表面的利回りは6.4%であり、賃料を6万円と仮定した場合、毎月の収入は3,840円です。現在の表面的利回りでアパート経営を行い、投資額の回収を目指した場合、15〜20年ほどかかります。

表面的利回りを考えると儲からないと言われるのかもしれません。

2.多額のローンを組むから

アパート経営は多額のローンを組むため、儲からないと考える人もいます。

アパート経営を行うには物件の購入が必要です。物件の購入には数千万円の投資が必要ですが、物件の費用を全て自己資金で賄える人は少ないでしょう。物件を購入する際は、金融機関からの融資が必要です。

アパート経営や不動産投資などをしない限り、数千万円のローンを組む機会はほとんどありません。アパート経営で得られる収益よりも「多額のローンを組んだ」という事実に目が行き、収益よりも借金の方が多いと感じる人もいるのかもしれません。

多額のローンを背負うプレッシャーもあり、アパート経営に手を出せない人も多いです。

3.入居率を維持するのが難しいから

アパート経営で、入居率を維持するのは難しいです。

入居者は数年単位でアパートを退去することが多く、大学生であれば長くても4年程度で退去します。一度入居率が下がると、入居希望者はたちまち少なくなり、安定した経営が難しくなるでしょう。

アパートの入居率を維持できない原因としては、「物件とエリアのニーズがあわない」「内見時のイメージが悪い」などが挙げられます。

30歳独身の男性が多い地域で、2LDKの物件を扱っても入居者は見込めません。また、アパート内の見栄えが悪いと、内見者が住みたいとは思わないでしょう。入居率の維持、向上を目指すには、エリアのニーズに適した物件を購入するなどの対策が必要です。

4.人口が減少しているから

人口の減少によりアパート経営が儲からないと言うイメージが強くなっています。

特に、地方では人口の減少が顕著です。地方では一軒家で生活する人が多いうえに、人口減少によりアパートに入居する人も少なくなるでしょう。また、進学や就職で都市部へ人が流れて行くのも人口減少に拍車をかけています。アパート経営を行う際は、人口減少が著しい地方は避けるのが賢明です。

5.予期できない出費があるから

アパート経営では予期できない出費があるため、注意が必要です。予期できない出費としては以下のようなものがあります。

  • 設備不良による補修費用
  • 自然災害による出費
  • 退去時の原状回復費用

アパート経営を行う際は、目先の出費はもちろん不測の事態にも備える必要があります。自然災害はいつ発生するか予想できません。地震で部屋が損傷する可能性や、台風で屋根が剥がれる可能性があります。

アパート経営で利益を上げるためには、常に不測の事態に備えて資金を蓄えておくことが大切です。

アパート経営って儲かる?儲からない?

アパート経営が儲かるか、儲からないか分からない人も多いでしょう。ここでは、下記について解説します。

  • アパート経営の成功率
  • アパート経営で失敗したと感じる理由

アパート経営に興味がある人は、成功率や失敗したと感じる理由を参考にしてみてください。

アパート経営の成功率

アパート経営の成功率は、約7割と言われています。大家が成功したと感じる要因は、以下のようなものです。

  • ローンを完済した
  • 老後の資金不足を補えた
  • 節税できた

成功したと感じる要因は大家ごとに違いますが、約7割の人がアパート経営に成功しているようです。過半数のアパート経営者が成功を実感しているため、アパート経営は儲かる人が多いと判断できます。

アパート経営で失敗したと感じる理由

アパート経営で失敗したと感じる理由として、「空室が埋まらない」ことが挙げられます。

アパート経営における収入の大部分が家賃収入なので、「空室が埋まらない」場合は、満足できる収入を得られないことが多いです。アパート経営では、物件の築年数などにより、修繕費が高額な場合もあります。高額な出費が続くと不満が募り、アパート経営は失敗だと感じる人もいるでしょう。

アパート経営の仕組み

アパート経営の仕組みを理解すると、収益を上げやすくなります。

ここでは、下記について紹介します。

  • アパート経営における「儲かる」とは
  • 儲かるアパート経営に必要な初期費用
  • アパート経営の収入・支出
  • アパート経営でかかる税金

それぞれ詳しく見ていきましょう。

アパート経営における「儲かる」とは

アパート経営では、物件を売却した際に利益が残っていれば、「儲かった」と判断して良いでしょう。

アパート経営において「儲かった」の定義は、人によって異なります。毎月安定した家賃収入を得られている状態を、儲かっていると判断する人もいるでしょう。

しかし、毎月家賃収入を得られても、物件売却時に利益が残っていないと本当の意味で「儲かった」とは言えません。目先の利益よりも長期的な視点でアパート経営を行いましょう。

儲かるアパート経営に必要な初期費用

儲かるアパート経営に必要な初期費用は、購入物件の30〜50%が目安です。

初期費用の項目には、以下のようなものがあります。

  • 中古アパートの不動産仲介手数料
  • 住宅ローン事務手数料
  • 住宅ローン保証料
  • 火災保険料
  • 印紙代
  • 登録免許税
  • 司法書士報酬
  • 不動産取得税(取得後半年後に請求)

アパート経営において、必要最低限の初期費用は建物費の10%程度です。しかし、アパート経営で儲かるためには、建物費の30〜50%程度が必要です。

アパート経営当初は、資金に余裕を持っておく必要があります。不動産は購入してから半年後に不動産取得税が請求されるため、資金に余裕がないと支払えません。

請求額や初期費用をローンなしで払えるように、資金は多めに準備しておいて損はないでしょう。

アパート経営の収入・支出

アパート経営の収入・支出は以下の通りです。

支出 収入
ローン返済費 駐車場収入
部屋の補修費 家賃収入
設備費用 太陽光発電売却の収入
管理委託料 携帯電話基地局設置料金
建物と土地の税金

アパート経営は、補修費やローン返済費など支出が多いです。アパート経営で利益をあげるためには、上記の支出より収入が多い状況を作らなくてはいけません。 

自然災害や原状復帰のための費用など、不測の出費もあるため、安定して収入を得られる仕組み作りが必要です。

アパート経営でかかる税金

アパート経営でかかる税金は、以下の通りです。

  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 不動産取得税
  • 登録免許税
  • 所得税
  • 住民税
  • 印紙税
  • 相続税
  • 贈与税
  • 事業税

アパート経営を行う上で、さまざまな種類の税金がかかります。自分で税金周りを管理するのが難しい人は、税理士への依頼も検討しましょう。

アパート経営で稼ぐためのポイント7選

アパート経営で稼ぐためには、以下のポイントを押さえましょう。

  • 立地が良い物件を購入する
  • ニーズの高い物件を見極める
  • 空室対策で入居率を維持する
  • 実質利回りを計算する
  • 賃貸仲介に強い管理会社を選ぶ
  • 借入金の返済額は減価償却費内に抑える
  • 法人化も視野に入れる

それぞれ詳しく紹介します。

1.立地が良い物件を購入する

アパート経営で稼ぐためには、立地が良い物件の購入が必要です。

賃貸に入居する際に、重要視するポイントは人それぞれ異なります。家賃の安さや設備、周辺環境など重要視するポイントはさまざまですが「立地の良さ」を大切にしている人も多いです。

立地の良い物件はニーズが高く、入居者を確保しやすいのが特徴です。

例えば、駅近の物件であれば、サラリーマンから学生など幅広い年代の人がターゲットです。立地の良い物件であれば入居者が集まりやすいため、入居率維持に繋がるでしょう。

物件を購入する際は、周辺地域の特性や住民の特徴、競合の賃料などを徹底的に調査するのがおすすめです。立地の良い物件を購入して、安定したアパート経営を行いましょう。

2.ニーズの高い物件を見極める

アパート経営を成功させるには、ニーズの高い物件を見極めるのがポイントです。

賃貸のニーズは地域によって異なります。30代独身が多い地域であれば、ワンルームや1Kなどの1人暮らしに適した物件のニーズが高いです。一方、ファミリー世帯が多い地域であれば、2LDKや3LDKなどの複数人で生活できる物件のニーズが高まるでしょう。

地域のニーズに適した物件を把握するためにも、事前調査が重要です。競合のアパートや住んでいる住民の年齢、世帯など幅広い視点での調査が求められます。ニーズの低い物件を購入してしまうと、入居者の獲得が難しくなり儲かる可能性は低くなるでしょう。

まずはアパート経営を行う地域を選定してから、ニーズの高い物件を購入するのがおすすめです。

3.空室対策で入居率を維持する

アパート経営で安定した収入を得るためには、空室対策が必須です。

アパート経営をしているオーナーが「空室が埋まらない」ことで悩んでいるケースは少なくありません。空室を埋めるためには、効果的な対策が必要です。

空室対策として効果があるのは、以下のようなものです。

  • 家賃の引き下げ
  • 新しい設備の導入
  • アパートの共用部分を綺麗にする

アパートを選ぶ際重要視するポイントとして、家賃が挙げられます。競合のアパートよりも低い家賃を設定すると、入居者を確保しやすいです。ただし、家賃を大きく引き下げると利益も少なくなるため、競合と比較した上での料金設定が求められます。

アパートの設備が充実している場合も、入居者を確保しやすいです。エアコンや宅配BOXなど、人気のある設備を導入すると生活が快適になり、長期間の入居に繋がります。

また、アパートに清潔感がないと入居先の候補から外れる場合もあるため、共用部は綺麗にしましょう。

4.実質利回りを計算する

アパート経営で儲かるためには、表面的利回りではなく実質利回りも計算しましょう。

アパート経営を始める際、不動産会社から物件に関する資料を渡されます。資料には表面的利回りが記載されていますが、鵜呑みにするとアパート経営で失敗する可能性が高いです。

表面的利回りには運用コストなどが含まれていないため、資料通りの収益は得られません。実質利回りの計算が重要です。

実質利回りを計算する際は、以下の計算式を使用します。

  • 実質利回り=(年間の家賃収入-運営費用) ÷(物件価格+購入経費) ×100

5年分の収支一覧表を取り寄せると、経営費用を把握でき、具体的な収入が計算できます。収入に対して厳しい視点で実質利回りを計算すると、より正確な収入が分かるため、アパート経営の成功に近づくでしょう。

5.賃貸仲介に強い管理会社を選ぶ

アパート経営を成功させるためには、賃貸仲介に強い管理会社を選びましょう。賃貸仲介に強いかどうかによって、アパート経営の成功率は左右されます。

管理会社に大きな違いはないと考えている人もいるかもしれません。しかし、入居希望者を募る際の賃貸仲介を行うのが、管理会社の業務内容です。賃貸仲介に強い管理会社は高品質な広告を打てるうえに、認知度も高いため希望者が集まるでしょう。入居希望者が集まると、空室期間が短くなり収入の安定に繋がります。

アパート経営未経験の人であれば、広告や入居希望者の集め方まで手が回らない場合も多いです。

可能な限りすぐに空室を埋めたい人や、初めてアパート経営を行う場合は賃貸仲介に強い不動産会社を選びましょう。

6.借入金の返済額は減価償却費内に抑える

借入金の返済額を減価償却費内に抑えると、アパート経営が成功に近づきます。売り上げに対して多くの収入を得られるでしょう。

一方、借入金の返済額が減価償却費内を超えてしまった場合は、売り上げに対して少ない収入しか得られません。

減価償却費は耐用年数以内でなければ、計上できない仕組みです。耐用年数を超えた場合は、増税されアパート経営が苦しくなるでしょう。

アパート経営を成功させるには、以下のポイントを抑えることが重要です。

  • 借入金の返済額を減価償却費内に抑える
  • 耐用年数以内に借入金を返済する

7.法人化も視野に入れる

アパート経営を行う際は、法人化も視野に入れながら運営しましょう。

法人化すると、税金や経費関係で以下のメリットを得られます。

  • 経費として認められる項目が増える
  • 税金を抑えられる

法人化すると、経費として認められる項目が増えます。アパート経営になぞり、車の購入やガソリン代なども経費として計上できます。経費として計上できると、購入できるものも増えて事業の幅も広がるでしょう。

高収入を得ている個人と法人を比較すると、税率が低いのは法人です。法人税率を上げると企業が海外に流れてしまうリスクがあり、政府は税率を上げられないでいます。

日本では、今後も法人税率が上がる可能性は低いため、個人で事業を行うより法人化した方がお得です。

アパート経営で得られる「儲かる」以外のメリット

アパート経営は「儲かる」以外にも、以下のメリットがあります。

  • 生命保険の代わりになる
  • 損益通算ができる
  • 相続税対策ができる

それぞれ詳しく解説します。

生命保険の代わりになる

1つ目は、生命保険の代わりになることです。

アパート経営で団体信用生命保険に加入すると、契約者がローン完済前に亡くなった場合に金融機関が残りの額を返済してくれます。また、金融機関の融資条件に団体信用生命保険加入が含まれている場合もあります。

ローン完済後もアパート経営を続けられるうえに、家族などに引き継ぐことも可能です。

「家族にアパート経営を継がせたい」「ローン返済の負担を家族に負わせたくない」という人は、団体生命保険に加入しましょう。

損益通算ができる

2つ目は、損益通算ができることです。

損益通算ができると、一定期間の利益と損益を合わせて相殺できます。アパート経営で赤字になった部分を他の所得で相殺できるため、住民税や所得税の節税が可能です。特に副業でアパート経営をしている人は、本業の給与所得とアパート経営の収入を合算できるため、節税対策になります。

相続税対策ができる

3つ目は、相続税対策ができることです。

購入した物件でのアパート経営は、個人利用の物件より相続税評価額が低くなります。さらに購入した土地を貸している場合は、土地評価額に以下の項目が適用されます。

  • 借地権割合
  • 借家権割合
  • 賃貸割合

個人利用の土地と比較すると、大きな相続税対策になるでしょう。

アパート経営と土地活用はどちらが儲かる?

アパート経営と土地活用では、アパート経営の方が儲かる可能性が高いです。

土地活用には、駐車場経営やトランクルーム経営などがあります。どちらも失敗するリスクは少ないものの、大きな収益には繋がりにくいです。

一方、アパート経営は失敗するリスクがある分、成功したときに得られる収益は大きいです。

土地活用とアパート経営、どちらを始めるか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。「儲かる」と言う観点では、アパート経営をした方が多くの収入を実現できる可能性が高いです。

まとめ

ここまで、アパート経営が儲からないと言われる理由やアパート経営の仕組みなどを紹介してきました。アパート経営は儲からないと言われやすいですが、やり方次第では稼ぐことのできる事業です。

収益を上げるためには、物件地域の調査や空室対策などさまざまな工夫が求められます。アパート経営で儲けたいという人は、本記事を参考にして儲かるアパート経営を目指してはいかがでしょうか。