WiFi無料賃貸物件とは?メリットやセキュリティを徹底調査!
2023年2月20日「インターネット無料」は、単身者向け・ファミリー向け賃貸住宅の人気設備ランキングで4年連続1位になるほどの人気条件です。インターネット通信費は、固定費のなかでも負担が大きいコストなので、無料になる恩恵が大きいです。
今回はWiFi無料賃貸物件について、物件を検討したい人を対象にメリット・デメリットや費用、注意点などをくわしく解説します。 WiFi無料物件を探しているという方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
目次
WiFi無料とインターネット無料の違い
賃貸物件におけるインターネット無料とは、その物件に住めばネット回線が無料で利用できるという意味です。インターネット無料の賃貸物件では、大家さんや管理会社が毎月のインターネット利用料を負担するなどして、ネット回線を入居者に無料提供しています。
それに対してWiFi無料とは、インターネット回線とWiFiの電波の2つが物件に引き込まれており、無料でインターネットが利用できるという意味になります。
実はインターネット無料賃貸は、インターネットの回線は無料で利用できますが、WiFiの電波は飛んでいないことも。そのため、WiFiルーターなどを入居者が用意する必要があります。
インターネットを利用している人にとって、WiFiは必須設備です。つまり、インターネット無料よりもWiFi無料のほうが需要が高いといえるでしょう。
ちなみに、「インターネット完備物件」はパソコンとLANケーブルさえあればすぐにインターネットが使用できる状態にあるのに対して、「インターネット対応物件」は建物の共有部分までインターネットの回線工事が完了している状態を指します。表記の違いには十分注意しましょう。
インターネット無料物件は4種類に分かれる
ここからは、4種類に分かれるインターネット無料物件の特徴について見ていきます。
- 部屋にWiFiルーターがついているタイプ
- 部屋に回線が来ているタイプ
- 共用部にWiFiルーターがあるタイプ
- 共用部のみでWiFiが使えるタイプ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
部屋にWiFiルーターがついているタイプ
部屋にWiFiルーターがついているタイプの場合、自分で回線の契約や機器の準備などをしなくてもWiFiが使え、自分専用の回線を利用できます。入居者が行うことは契約だけで、最も簡単な手続きで済むタイプです。
部屋に回線が来ているタイプ
部屋に回線が来ているタイプは、賃貸情報サイトなどで見ると「インターネット完備物件」と呼ばれる物件です。回線自体は部屋まできているので、各部屋で専用の回線を使えます。回線が部屋ごとに分かれているので、セキュリティ面での安心感もあります。
ただし、WiFiを使うためには自分でルーターを用意しなければなりません。そのため、ルーター契約や接続準備の手間がかかってしまいます。
共用部にWiFiルーターがあるタイプ
廊下などのWiFiルーターがついているタイプでは、特に契約や機器の準備をしなくてもWiFiを利用できます。ただし、ほかの居住者とネットワークを共有することになるので、セキュリティ面には注意が必要です。このWiFiを利用する場合は、デバイスのセキュリティ対策も心がけましょう。
共用部のみでWiFiが使えるタイプ
エントランスや廊下などの共用部分のみでWiFiを使える物件もあります。基本的に各部屋で使うことはできず、部屋ごとにネット回線を契約する必要があります。
安全性やインターネット開通手続きの利便性を考える場合、部屋にWiFiルーターがついているタイプか部屋に回線が来ているタイプのどちらかを選ぶのがいいでしょう。
物件に無料WiFiを導入するメリット4つ
ここからは、大家さん向けに物件に無料WiFiを導入するメリットを4つ紹介します。
- 物件の表示回数が増える
- 他物件との差別化を図れる
- 空室対策になる
- 退去者を減らせる
物件の表示回数が増える
入居希望者が賃貸を探すにあたり、最近では「無料インターネット」を条件として検索することが増えています。
全国賃貸住宅新聞によると「この設備がなければ入居が決まらない設備ランキング」でファミリー向け、単身者向け物件共に無料インターネットが4年連続の1位を獲得。また、スマートフォンの普及により、子供のWiFi利用増加で、近年ではファミリー向け物件にも人気の設備となっています。
そのため、無料インターネット、無料WiFiを備えているというだけで検索されやすくなり、表示回数が増え、多くの人の目に物件が触れるのです。
他物件との差別化を図れる
賃料も間取りも似ているのなら、無料インターネットがついている物件のほうに住みたいと思うのは入居希望者としては当然の心理です。そのため、近隣に賃料や間取りが似た物件がある場合、無料WiFiを備えている物件の方が選ばれる可能性があがります。
空室対策になり退去者を減らせる
入居希望者が自分でインターネットを引く場合、月5,000円程のインターネット利用料金を個人で支払わなければなりません。また、退去のタイミングで解約費を払わねばならなかったりと、なにかと入り用になってしまうのがインターネットです。
物件にインターネットが付いていれば、そのコストや手間を減らすことができます。そのため、インターネット無料物件やWiFi無料賃貸はとても人気があり、空室期間が短くなります。
月々のコストはかかりますが、インターネット無料設備は、空室対策の中でも、手軽に導入することができるのもメリットです。また、空室対策として期待できるのはもちろん、既存の入居者の満足度を上げることで退去防止にもつながります。
有線LANと無線LANではどちらがよい?
ここからは、実際にマンションやアパートなどにインターネットを引く場合におすすめの方法を紹介します。
インターネット回線の種類は有線と無線の2種類があります。
- 速度や安定性を求めるなら有線LAN
- 手間がかからないのは無線LAN
- 入居者増加を目指すならWiFi付き
自分や入居者がインターネットに求めたいことを考えながら、どのタイプを導入するか検討してください。
速度や安定性を求めるなら有線LAN
有線LANとは、建物に引き込まれた回線を各戸に有線のLANケーブルで引き込むものです。各戸にLANケーブルの差し込み口が設置されているため、そこにLANケーブルを差し込むとインターネットが利用できます。工事は必須ですが、その分安定した通信速度を保つことが可能です。
アパートまで光回線を引く工事に約1か月ほどかかり、その後無線WiFiルーターを取り付ける作業に1日かかります。日程調整をおこなわなければならないため手間がかかりますが、速度を求めるなら有線LANにしましょう。
手間がかからないのは無線LAN
無線LANとは、建物に引き込んだ回線をWiFiルーターに繋げ、WiFiルーターから各戸へ電波を届けるタイプです。各戸の工事が必要ないため、すぐに導入することができますが、回線が不安定になったり、速度が遅かったりする場合があります。
ちなみに、大家さんがインターネット無料を導入するには、有線の場合は約30万円、無線の場合は約20万円ほど初期費用としてかかります。また、毎月の利用料として、約7000円ほど費用が発生します。導入コストなども考えながら選んでもいいでしょう。どちらもメリット、デメリットがあるため、業者とよく相談してから決めましょう。
入居者増加を目指すならWiFi付き
前述しましたが、いまはスマホやゲーム機などをすべてWiFiで繋いで使うことが増えています。そのため、入居者増加を目指すならWiFi付き賃貸にしてしまうのがおすすめです。
そもそもWiFiとは、ネットワーク接続に対応したパソコンやスマホ、タブレットなどを無線でLANに接続すること。WiFiルーターが親機で、パソコンやタブレット、スマホの機器が子機といったイメージです。以前の様にLANケーブルで機器につなぐ必要がないので、さまざまな機器をインターネットに接続できます。
特に置き型の場合は、アパートやマンションに引いたインターネット回線を、各部屋の置き型WiFiルーターで飛ばすだけで利用可能です。工事が不要で、WiFiルーターをコンセントに挿すだけでWiFiに繋がり、すぐにインターネットが利用できます。WiFiルーター自体の複雑な設定もいらないので、入居者も簡単にWiFiに接続できます。
WiFi無料物件のメリット3つ
ここからは、入居者側から見たWiFi無料物件のメリット3つを紹介していきます。
- 工事不要ですぐに利用ができる
- 月額料金がかからない
- 解約をする必要がなく、違約金もかからない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
工事不要ですぐに利用ができる
無料WiFiが使える賃貸の大きなメリットは、工事不要ですぐに引越し先でインターネットを使えるということです。無料でない物件では、自分でネット会社に契約したり、設備を整える工事を待ったりする必要があるので、入居してすぐにはネットが使えません。
個人でWiFiを部屋に導入すると、面倒な手続きや工事、費用などがかかるのです。
- 自分で契約をするのが面倒な人
- ネット回線・プロバイダーなどを調べるのが苦手な人
- 通信環境については特にこだわりがない人
特に以上のような人は特にWiFi無料物件に向いているといえるでしょう。
月額料金がかからない
WiFi完備物件に設置されている回線を利用すれば、回線契約時の初期費用に加え、月々のインターネット回線利用料も必要ありません。
無料になる料金には工事費や維持費も含まれているので、インターネットに関する料金は一切不要なのです。
解約をする必要がなく、違約金もかからない
自分で契約したインターネット回線は、退去時に違約金がかかる場合があります。契約期間内に解約したり、契約更新月以外に解約すると、違約金がかかります。
しかし、インターネット無料物件の場合は大家さんが一括で契約しているので、いつ退去しても違約金が発生しないのです。
WiFi無料物件のデメリット3つ
良いところの多いWiFi無料物件ですが、ここからは、WiFi無料物件のデメリットを紹介します。それぞれの良さと大変さを比較して、自分に合う方を選んでください。
回線の速度が遅い場合がある
インターネットを無料で利用できるマンションは1つの回線を共有する「マンションプラン」を採用していることが多く、複数人で使う場合や重い処理を行う場合は回線・通信速度が遅くなることがあります。
特に土日や夜間などの利用者が多い時間帯は、回線の混雑などにより通信速度が遅くなりやすいです。契約書には理論上最大の回線速度が書かれています。実際に使用したときの回線速度は状況によって大きく変わるので、契約書の10分の1〜100分の1以下になる場合もあります。
仕事やオンラインゲームなどで安定した通信環境を求める場合、WiFi無料物件では満足できない方も多いかもしれません。
家賃や管理費が高い場合がある
「家賃や管理費を含めたトータルコスト」には注意が必要です。
無料でWiFiが使えるマンションには、大家さんが費用を自己負担している場合もありますが、どうしても導入費用と維持費用が掛かるため、WiFi費用を家賃や共益費に組み込まざるを得ない場合もあります。
その場合、一から自分で契約する手間がかからない点はメリットですが、家賃が高くなっている場合もあるのです。結果的に自分で再度インターネット会社を選んで契約し直さねばならないなど、元も子もないケースになってしまうこともあります。
相場より高ければ、WiFiの使用料が含まれている可能性が高いので、冷静にトータルコストを計算し直してみることをおすすめします。
回線やプロバイダーを選べない
希望の回線やプロバイダーを選べないのも、デメリットの1つです。仮に接続環境が不満で回線を乗り換えたいと思っても、ネット無料物件の回線は管理会社が同意しないと変更できません。そのため、自分で費用を負担して別のインターネット回線を契約することになります。
居住者共通のWiFiがある場合は、個人情報が漏れてしまう可能性があります。例えば、悪意のある居住者がWiFi経由で他人の検索履歴などを盗み見るという事例があるのです。できれば入居前に、契約している回線と契約プランを教えてもらっておくことをおすすめします。
まとめ
インターネット無料物件の特徴は以下の通りです。
- 部屋にWiFiルーターがついているタイプ:回線の契約や機器の準備などをしなくてもWiFiが使え、自分専用の回線を利用できる
- 部屋に回線が来ているタイプ:回線自体は部屋まできているがWiFiを使うためには自分でルーターを用意する
- 共用部にWiFiルーターがあるタイプ:ほかの居住者とネットワークを共有しなければならない
- 共用部のみでWiFiが使えるタイプ:基本的に各部屋で使うことはできない
大家さんにとっても入居者さんにとってもメリットの多いWiFi付き賃貸。インターネットを気軽に使いたい人にとって、無料でインターネットが使い放題なので、とても有力な選択肢です。
趣味や仕事で頻繁にインターネットを使用し、大容量のデータを消費する使い方が多いという方は、自分でプロバイダを選んで整備した方が時間帯に関係なく安定した速度でインターネットが使用できるかもしれません。
しかし、自分で契約をするのが面倒な人や、ネット回線・プロバイダーなどを調べるのが苦手な人は、料金もかからず手続きも不要な「インターネット完備物件」がおすすめです。
これからWiFi完備の賃貸物件へ引越す人や、新たにWiFi環境を整えたいという人は、ぜひ本記事を参考にして、部屋選びの検討材料の1つにしてください。